アメリカ国際貿易委員会(ITC)が、中国のディスプレイ大手BOEに対し、サムスンディスプレイのOLEDパネルに関する企業秘密を侵害したとの仮決定を下したことで、BOE製ディスプレイを搭載したiPhoneのアメリカ国内での販売が禁止される可能性が高いと、韓国経済紙ETnewsが報じました。GSMArenaが伝えています。
このITCの決定には、限定的排除命令と停止命令の2つが含まれています。前者は、アップルが侵害品であるiPhoneをアメリカに輸入することを防ぎ、後者は既存の在庫使用や今後の生産・販売活動を禁じるものです。
この決定はまだ最終的なものではなく、最終決定は11月に行われる予定ですが、予備的な裁定が覆されることは稀だとも。最終決定後には、トランプ大統領が拒否権を行使できる2ヶ月の期間が設けられています。
アップルは、サムスン、LG、BOEといった複数のメーカーからディスプレイパネルを調達しています。BOEは通常、標準モデルのiPhone向けに非ProMotionディスプレイを製造しており、実際にiPhone 16eのディスプレイの大部分を供給したとされています。
しかし、最近の報告によると、Appleは中国市場限定でiPhone 17 Pro向けにBOE製ディスプレイパネルを承認したとのことです。ITCによる販売禁止措置は中国での販売には影響を与えないためだとみられます。
なお、将来登場が噂される折りたたみ式のiPhone Foldについては、サムスンディスプレイ製のパネルを使用するため影響を受けないと見られているそうです。
ITCでの訴訟とは別に、サムスンディスプレイはBOEの特許侵害による営業利益の損失と懲罰的損害賠償を求め、テキサス州東部地区連邦地方裁判所にも訴訟を起こしているそうです。