高いiOSシェアを誇る10代の間では、iPhoneの「AirDrop(エアドロップ)機能」が欠かせません。これは近距離にいるApple端末ユーザーに対して、Bluetoothによって端末を特定し、Wi-Fi Directによってデータを転送する、高速かつ手軽なデータシェア機能です。
Androidには、似たような機能として、NFCとBluetoothを活用した「Android Beam」が搭載されていましたが、転送速度が遅い、NFC非対応スマートフォンでは使えないなどの理由によって使用するユーザーは少なく、Android 10でその機能が削除されていました。
また、他にもWi-Fi DirectやBluetoothを介して共有する手段はありますが、かざすだけでOKのAndroid Beam、ユーザーを選択するだけでOKのAirDropと比較すると、送信側、受信側ともにひと手間必要で、日常的に使われるほど利便性が高くはありません。
そんな中、代替となる機能をGoogleやSamsungが作成しているという噂が入ってきました。
それはGoogleの「Nearby Sharing」、Samsungの「Quick Share」です。
Nearby Sharingは、Android Beamの問題点であった転送速度の遅さなどを大幅に改善し、登場するようです。受信側でも、受け取るためにワンクッション置かれているため、以前流行った「AirDrop痴漢」のような被害を防ぐ対策が講じられています。
ソースコード解析で有名なxda-developersは、Nearby Sharingのハンズオン動画を公開しています。動画の転送に失敗してしまった部分もあったものの、開発段階、正規公開されているものではない、ということを加味すると、仕方ないといえるでしょう。なお、この機能がユーザーに公開される予定は不明となっています。
Quick Shareは、xda-developersのMax Weinbach氏によって発見された、SamsungがGalaxy S20シリーズへの搭載を予定している機能の一つ。今後One UI 2.1のアップデートで他の端末にこのQuick Shareは、スマートフォンのみならず、SamsungのスマートテレビなどSmartThingsに対応した端末にもデータを送信することができるようになるとのことです。
Quick Shareは、APKを発見されたものの、現在のバージョンのOSを実行するGalaxy Note10では送信できなかったとのことです。
他にも、Huaweiは独自の「Huawei Share」をすでに実装しています。
また、Xiaomi、OPPO、vivoの中華メーカー3社で統一した規格の「Peer-to-Peer Transmission Alliance」があり、昨年8月に始まった中国国内での展開に続き、2月からは全世界向けにも展開していく様です。
Android業界でも現段階では全く統一されていないローカルデータシェア機能、今後の展望は全く分かりませんが、若い人の中では「AirDropでシェアしよう」という機会も増えているようで、Android端末を使っているだけで「めんどくさい」と思われてしまうこともあるようです。
スマートフォンとして、iOS、Android関係なく、このような規格が統一されるといいなあ、と思います。
AirDrop使ってる?
— すまほん!! (@sm_hn) February 3, 2020