中国の大手テレビメーカーといえば、東芝のテレビ部門を買収したハイセンスが思い浮かぶところですが、中国国内市場ではテレビ市場の勢力図に大きな変化が起きているようです。
中国「創投時報」によれば、今年上半期の中国国内テレビ出荷台数でシャオミが首位となり、昨年から6四半期連続のトップになりました。
2019年にシャオミテレビ出荷台数は1,000万台を突破し、中国テレビブランドの国内出荷台数新記録を更新したのに続いて、ガッチリ首位をキープ。この要因は主に3つだと分析しています。
Xiaomiのテレビが中国市場第一位の理由は?
「シャオミ」ブランド力
シャオミ・テレビは知名度でもハイセンスや創維といった従来からのブランドに勝り、シャオミブランドは成立から10年になりますが、この10年間にシャオミは世界で最も「若い」世界500強企業に成長。
若年ユーザーからのブランドイメージはハイセンスや創維よりもシャオミの方が良好で、ブランド力が販売台数に繋がったとのこと。
中国市場、20~30代が消費者の中心なので、ここらへんの感覚は日本市場とかなり違うところですね。
ハイコスパ
同一インチ数のテレビ製品の中で、シャオミのテレビは多くの場合、最低価格であり、しかもシャオミのテレビは頻繁に割引イベントを打っており、値下がりも早いのだとか。
中国ECサイトの売出しイベント「618」でもシャオミは薄利多売戦略により、「京東」「天猫」「蘇寧」の3大プラットフォームで販売台数第一位を獲得したといいます。
豊富なラインナップ
シャオミのテレビは2,000元(約3万円強)前後の価格帯で受け入れられている他、5,000元、さらには1万元以上の価格帯でも、販売台数は好調だそうです。技術の蓄積ではサムスンやソニーに劣るものの、ハイエンド市場での競争に敢えて打って出ることで顧客層の拡張に成功したと論評しています。
テレビの画質って、そりゃいいほうがいいですが、正直なところ一定以上だと脳が補完してくれるから「気にならない」んですよね。
今後もXiaomiは第一位を維持か
6四半期連続首位と絶好調のシャオミ・テレビですが、「創投時報」は短期的にシャオミのテレビ市場における地位は揺るがないだろうと見ています。
シャオミのスマホでのライバル・栄耀(honor)もテレビ市場に参入、性能やコスパでは何度もシャオミを破っているものの、オフライン市場での展開にかけており、テレビ市場での知名度も不足していることから、シャオミに取って代わるのは難しいだろう、とのこと。
以上、「創投時報」からでした。中国テレビ市場はとうの昔に飽和したものと思っていましたが、その中でもブランドの新陳代謝が発生するものなのですね。「知名度不足」とされている栄耀のテレビも気になるところです。