海外ゲーム系メディアのInsider Gamingは、ソニーがPlayStationの周辺機器として、リモートプレイ専用のハンドヘルド型デバイス、「Q Lite」を開発していると伝えました。
この「Q Lite」と呼ばれる端末は、Nintendo SwitchやSteam Deckなどとは異なり遠隔プレイ必須とのこと。すでにスマホやPCからPlayStation 4/5へ遠隔でアクセスしてゲームを遊べる「PS Remote Play」が用意されていますが、そのPS Remote Playしか行えない端末であるようです。
その性質上、高速かつ安定したインターネットへの接続が必須。また、ディスプレイは最大1080p60fpsと、解像度を720pにすることが多い携帯ゲーム機としては高めの解像度となるようです。また、初期の試作機は、8インチの液晶ディスプレイに、PlayStationならではの触覚フィードバックを備えているとのこと。
ここで、完全にスタンドアローンで動作することができるSteam DeckやAYANEOなどのWindows搭載ゲーム特化UMPCなどと比較すると、リモートプレイ専用のQ Liteは主に以下の点がメリットとして挙げられそう。
- 本体で高負荷な処理をそもそも行わないため、低消費電力や冷却ファンの小型化が実現し、結果的に本体が薄型軽量、またコンパクトになる
- ストレージが最低限で済む
一方で、想定されるデメリットは下の通り。
- 安定・高速な環境が必要。そのため、電車の中やホテルのWi-Fiなど、携帯ゲーム機をプレイするのに適した状況にて満足にプレイできない可能性がある
- 環境さえそろえばスタンドアロン機より良い体験が望める反面、そもそもWindowsやSteamOSを搭載しないことから、Steamの有象無象のインディーゲームなどがプレイでいない
Q Liteに期待できる面としては価格でしょうか。Steam Deckの最廉価グレードは5万9800円ですが、ストレージの速度・容量的に実用的ではなく、まともに利用できるのは7万9800円の256GBグレードからと、Nintendo Switchと比べると圧倒的に高価となっています。処理能力の大半をクラウドの雲の上に預ける性質上、安くなってくれると嬉しいです。
発表時期は明確に記されていませんが、Insider GamingによればすでにQA(品質保証)段階に突入しているとのことで、「PS5の外付けディスクドライブ」の後、「PlayStation 5 Pro」の前に投入されるとしています。今後の情報に注目です。