Appleが開発していたiPhone 15 Pro向けの、非機械式化された音量ボタンと電源ボタンの詳細と外観が明らかになりました。
海外サイトApple Insiderが独占的に入手した情報によると、触覚ボタンはiPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxの初期プロトタイプに搭載されていました。これらのボタンは、従来の機械式ボタンと同様に物理的に動くように見える設計で、押した際に触覚フィードバックと音を生成する、Magic Trackpadのような仕組みになっていたそうです。
ご存知の通り、iPhone 15 Proシリーズに搭載されているボタンは伝統的な機械式です。触覚ボタンは「Project Bongo」というコードネームで開発されていたものの、最終的には採用されなかったとのこと。
圧力を検知して電気回路内の抵抗変化を測定、信号がメインロジックボードに送られ、ボタンが押されたと検知する仕組みだったそうです。
触覚フィードバックを生成するために、Appleは「Bongo Haptic Engine」と呼ばれる電磁駆動の磁気抵抗モーターを開発。Taptic Engineと同様の方法で機械式ボタンかのような感覚を演出するものだったそうです。直接的な皮膚接触なく、手袋などでも反応して圧力変化を検出できる設計だったことを示しているとApple Insiderは推定します。
なおiPhone 7のソリッドステートボタンのような先例が既にあります。それと異なるのは、iPhone 7のボタンが全く動かないこと、そしてiPhone 15 Pro Max試作機の触覚ボタンは、電源を切っても電力がある限りは、触覚フィードバックを生成することだったそうです。
ただしプロジェクトは2023年4月初旬に突如中止されてしまったとのこと。テスト結果や技術的問題からそのような判断を下したそうです。
結果として、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxの量産モデルには従来の機械式ボタンが採用されることになりました。一方で、この開発過程で生まれた成果の一部は、2024年9月に発売予定のiPhone 16シリーズに新しい形で活かされる可能性があるとしています。
機械式ボタンを繰り返し押下すると摩耗するので、触覚ボタン化するとより耐久性が向上することが期待されます。