Appleは現在、AI研究者の深刻な頭脳流出に悩まされており、競合に優秀な人材を次々と引き抜かれています。
これはフィナンシャル・タイムズ紙が報じていましたが、Apple関連のスクープ記者であるMark Gurman氏のニュースレター「Power On」も、そうした内容を報告しています。PhoneArenaが伝えました。
それによると、AI人材流出問題は、Appleが従業員にMetaと同等の高額な報酬を支払わない限り、当面終わることはないだろうとのこと。
MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、AR(拡張現実)グラスが未来のデバイスであり、AIがその根幹を担うと確信しています。そのため、同社はXR分野に数十億ドルを投じたのに続き、現在AI分野にも同様の投資を行っています。この結果、AppleのAI研究者がMetaのスーパーインテリジェンス・ラボ・グループに参加するために退社するのは、これで5人目となるそうです。
この人材流出は、ただでさえ開発が遅れているとされるAppleの独自AI「Apple Intelligence」にとって、さらなるリスクとなります。特に、2024年に発表されたにもかかわらず、多くの機能がいまだに提供されていないSiriの開発にも影響が及ぶと懸念されています。
ただし10億ドルという破格のオファーを断るなど、Metaのリーダーシップに問題があるとして辞退するApple研究者もいるそうです。
それでもなおAppleからの人材流出が続く背景には、社内の士気の低さがあるとGurman氏は指摘。新しいSiriの開発が難航していることもあり、従業員はより良い条件を提示する他社からのオファーに乗り換えやすい状況にあるようです。