本体全面が画面で構成され、スライド式カメラを備える、というSamsungの提出した奇妙なデバイスの特許が、LETS GO DIGITALによって確認されました。
LETS GO DIGITALによりますと、この特許は今年7月にSamsung Electronicsにより米国特許商標庁に提出され、10月29日に世界知的財産局のデータベースに登録されたとのことです。
公開された特許のデータからは、ベゼルのない全画面ディスプレイを採用したデバイスが確認できます。本体の表裏両面にディスプレイがあるのはもちろん、左右にも曲面ディスプレイを搭載し、上下周辺にもベゼルは確認できません。
また、このディスプレイの名称は、資料上では「Surroud Display」とされており、前面にはいわゆる「エッジディスプレイ」のように湾曲したディスプレイを搭載し、背面にはフラットディスプレイを採用していることもわかります。
カメラに関しても、インカメラは「Under Display Camera(画面下埋め込みカメラ)」、リアカメラはスライド式で展開する特殊な構造を持っていることが記されています。
「あれ?デザイン的に似た端末をどこかでで見たことがあるような……」と思い返してみると、Xiaomiが昨年発売したMi MIX Alphaに近いデザインであることにきづきました。Mi MIX Alphaの場合は背面のカメラ部のみ黒いベゼル(?)があるのに対して、この特許資料のデバイスは本当にベゼルがないので、異次元の画面占有率を実現するかもしれません。
この特許資料について、Android Authorityはいくつかの指摘をしています。
まず、表裏でディスプレイの仕様が異なる可能性があること。Samsungは特許資料内で、表裏両画面が同じ仕様のディスプレイを採用する必要性を明記していないため、例えば前面に有機ELディスプレイを搭載し、背面にはKindle Paperwhiteの様な電子インクスクリーンを採用する可能性もあるとしています。
2つ目は、本体のスライド機構について。
イメージに記されているスライド機構のシステムは、カメラをうまく隠し、かつ画質を保つための仕様だと思われます。というのも、現在のSamsungの技術であれば、リアカメラもインカメラと同様に画面下に埋め込むこともできるはずです。ですが、画面下にカメラを埋め込むと画質がやや劣化するため、このスライド方式を採用したという見解を示しています。
今回提出されたこの特許のデバイスが実際にリリースされるかは今のところわかっていません。ただ、これらの資料を見る限りではあまり実用的なデバイスではない様にも思えますね……。