Nikkei Asiaは、複数の匿名サプライヤー関係者筋を情報源として、Huaweiのスマホ生産が6割以上減少すると報じました。
2021年にHuaweiが調達するスマホの部品は7000万から8000万台予定であり、2020年の1億8900万台(市場調査会社IDC統計)から大幅な減少となります。さらに最終注文が5000万台にまで減少すると予想するサプライヤーも。
2020年時点で、Huaweiのスマホ出荷台数は22%減少していたので、いかに甚大な影響を受けているかが伺えます。Huaweiは端末事業を手放さないと表明しつつ、多事業展開を進めています。
Huaweiの注文は、米国の制裁により5G端末用部品を購入できないため、4G端末用部品のみとのこと。以前Qualcommが承認を受けたと伝えられていたのも4G向け部品のみでした。ファーウェイの厳しい状況は、さらに熾烈さを増しているようです。
ちなみに、従来の米国政治は、中国が経済的に豊かになれば危険性が無くなるという理屈で対中融和政策を採り、共和党含め自由貿易を推進してきました。しかし香港問題やウイグル問題が露呈、中国の軍事的膨張の現実を米中国交正常化立役者にして長年対中融和派の旗手であったヘンリー・キッシンジャー氏すら認め、政策は失敗だったとの評価が優勢となり、今や世論や超党派議員が対中強硬策を支持するなど米国政治内の力学が大きく変化。
このためバイデン大統領は、トランプ前政権の「米国一国主義」は放棄しつつも、同盟国や国際機関と連携した国際協調による権威主義国との戦いへと転換。対Huawei禁輸を行っている商務省のジーナ・ライモンド商務長官候補の閣僚人事では、Huawei排除を維持しない限り人事承認しない議員らの動きも見られ、制裁維持を示唆する場面もありました。