vivoは11月1日(現地時間)、自社開発の新OS「BlueOS」を発表。同社のスマートウォッチ「vivo Watch3」に搭載することを明らかにしました。
業界初!Rust言語で開発された高速OS
BlueOSは既存のモバイルOS(iOSやAndroidなど)とは互換性のない、いわゆる「第三のOS」です。
特筆すべき点は、「Rust」と呼ばれるプログラミング言語で作られていること。同言語は2006年に開発が始まった比較的新しいもので、高速処理、並列処理、安全なメモリ確保といった特徴があります。
同社によると、Rustを使ってフレームワークを開発したOSは、BlueOSが世界初とのこと。プログラミング言語がOSの性能を決定付けるわけではないものの、新技術を積極的に取り入れる姿勢自体は評価すべきでしょう。
また、新設計のOSということで、最初からAIの活用を前提とした造りになっている点も特徴の1つ。BlueOSにはvivo独自の大規模言語モデル(LLM)「蓝心大模型(ブルーハート)」が導入されており、AIが複雑な意図を認識しつつ、音声、画像、ジェスチャーなどでユーザーと対話することが可能です。
実際に同OSを導入する「vivo Watch3」では音声でAIと対話し、オリジナルの文字盤を作成できるとのこと。専門的な知識や技術を持たない一般ユーザーでも、AIの力を借りてOSのUIを自力で設計、変更できるというのは、非常に革新的です。
AppleとGoogleにどこまで斬り込めるか
革新的とも呼べる機能を搭載したBlueOSですが、その前途は決して順風満帆ではありません。
2023年11月現在、モバイルOSのシェアはAppleのiOS系とGoogleのAndroid系でほぼ二分されており、BlueOSの入り込む余地があるかは微妙なところ。vivoが最初の搭載端末としてスマホやタブレットではなく「vivo Watch3」を選んだのも、BlueOSがiOSやAndroidと真っ向勝負できる段階にないことを暗に示していると言えるでしょう。
かつてマイクロソフトやMozillaが挑み、崩せなかったAppleとGoogleの牙城にvivoがどこまで食い込めるか、今後も注目していきたいところです。