AppleがiPhone 15 Proに搭載することを目指していた触覚フィードバックを採用する電源ボタンと音量ボタンをテストしていた試作のiPhoneが発見されました。MacRumorsが伝えています。
電子機器リサイクル施設から見つかったこの試作機は、見慣れたAppleロゴではなく2つの三日月が重なったような特殊なマークが刻印されているのが特徴です。これは「Vesica Piscis」と呼ばれており、同じマークは以前にAirTagの初期試作機でも確認されているとのこと。
この試作機がテストしていたのは触覚フィードバックや音を用いた電源ボタンや音量ボタンの非機械化。iPhone 7以降のホームボタンと同じといえば分かりやすいです。以前の噂では、iPhone 15シリーズ、特にProモデルにおいてこの技術が採用されるという話でしたが、結局実現は叶っていません。
今回の試作機の特徴として、iPhone 13 ProとiPhone 14 Proの部品が混在しているとのこと。非機械化により音量ボタンが1つに統合されているほか、ネジで固定された短いSIMトレイを備えています。側面には「Ranger」という文字が刻印されており、実地テスト用の試作機であることを示唆しているようです。
電源を入れると、マイクロコントローラの初期化が完了したということを示すメッセージが表示され、Macに接続すると「Bender」(海外アニメのFuturamaに登場するロボットの名前)として認識されるものの、残念ながらタッチ操作には反応しないとのことです。
また、シリアル番号から2021年5月の製造と推測されますが、iPhone 13 ProとiPhone 14 Proのどちらの試作機とも断定できない特殊な機種であると考えられているとのこと。
まさに今回の試作機はニコイチ、フランケンシュタイン、あしゅら男爵なiPhoneですが、Appleの新機能開発におけるテストの一端を垣間見せてくれる貴重な事例となっています。