Spotifyは、アプリ内で友達同士がダイレクトメッセージを送り合える「Messages」機能を発表しました。The Vergeが伝えています。
Messagesは今週から16歳以上のユーザーを対象に一部地域で展開開始。まずは南米の特定市場からスタートし、数週間以内に米国、カナダ、ブラジル、EU、英国、オーストラリア、ニュージーランドでも利用可能になる予定です。
この機能は読んで字のごとく、友達とやり取りができるメッセージ機能。実は、Spotifyは2017年にも同様のメッセージ機能を提供していましたが、利用率の低さを理由に廃止していました。TechCrunchによると、当時は「機能の利用率と維持に必要な人的リソースの格差が大きすぎる」として撤回されたそうです。つまりこれは8年越しの復活となります。
新しいMessages機能は、これまで外部のSNSアプリ(Instagramなど)を経由して行っていた楽曲のシェアを、Spotify内で完結できるのが特徴。楽曲やポッドキャスト、オーディオブックを「Now Playing」画面からワンタップで友達に送信できます。
こういったSNSライクな機能で気になるのは、無関係の第三者から不審な連絡が来ること。しかしMessagesでは、メッセージを送れる相手が限定されているようです。
メッセージを送れるのは、既に何らかの形でSpotify上で交流のあるユーザー、具体的にはJam、Blend、共同プレイリストに参加したことがある人や、ファミリープランやDuoプランを共有している人のみとなるとのこと。つまり、知らない人から勝手にメッセージが送られてくる心配はなさそうです。
操作方法は比較的シンプル。プロフィール写真からMessagesセクションにアクセスし、楽曲共有時に友達を選択して送信するだけ。受信者はメッセージリクエストを承認する必要があり、その後は絵文字やテキストで返信できます。
ただし、セキュリティ面では若干の不安も。メッセージは保存時と転送時に暗号化されているものの、エンドツーエンド暗号化は実装されておらず、Spotifyが利用規約違反のチェックのためにメッセージ内容を確認する場合があるとのこと。
個人的には、2017年の失敗を踏まえて今回はうまくいくのか疑問です。Spotifyは有難いことに、自分の好きな曲やジャンルを共有する方法が非常に豊富です。リアルタイムで各々が再生したい曲を入れていけるJamはリンクから参加できますし、自分のお気に入りのプレイリストも同様に、アプリやアカウントを持っていない人でも覗けます。
そういった中、わざわざアプリ内でやり取りを意義というのは、正直あまり感じられません。同一サービスによる強力な連携がもたらす圧倒的に便利な機能があるのかどうか、気になるところですね。
なお、逆に「アプリ内SNSの使用を強制してこないか?」と心配になりましたが、ここはプライバシー・ソーシャル」から無効にできるようです。