カケホーダイは再びケータイの在り方を変えることができるのか?

kakeho-dai-pakeaeru-ntt-docomo

 既報の通り、NTTドコモは6/1から新たな料金プランとして「カケホーダイ&パケあえる」の提供を開始し、8月末で既存のXiプランの受付を終了する予定となっています。既に当ブログでも既存のプランとの比較解説を掲載しており、端的に言えば『あまり電話をかけないユーザーは損をする』構図になっていると言えます。時代遅れの料金プランだと非難の声も聞かれます。

 やや時代遅れな料金プランに見えるのは事実だと思いますが、筆者はこれは意図的なものなのではないかと考えています。『音声通話を多く利用するユーザーに便利な料金プラン』ではなく『音声通話をもっと利用して便利に使って下さいという料金プラン』なのだろう、ということです。

なぜ現在は携帯『電話』なのに通話がメインではないのか

 当初、携帯電話はその名の通り『携帯できる電話』であり、音声通話をするための機械でした。それを一変させたのが、他ならぬNTTドコモが提供する「iモード」です。世界初の携帯電話IP接続サービスである「iモード」は、爆発的な普及によって『携帯電話はメールができて当たり前』という状況を生み出しました。音声通話とメールを、相手や状況によって使い分けることができるようになったのです。

f502it

筆者が初めて持った携帯電話、F502itはすでにiモード対応でした

 そして、auの「EZフラット」の登場を契機として到来したパケット定額制の時代により、『通話料はかかるがメールはタダ』になってしまった携帯電話は、通話無料でない相手とのやりとりにはメールが利用されることが多くなります。スマートフォンが普及した現在でもそれはあまり変わらず、メールないしデータ通信によるコミュニケーション手段…LINEやFaceTime、ハングアウトなどの利用が多くなっています。通話よりもデータ通信の比重が大きい現在の状況は、パケット定額制が存在する以上は起こるべくして起こった流れと言えるでしょう。

音声通話の価値そのものが変化する可能性

 そして現在、携帯電話のデータ通信を利用した多種多様なコミュニケーションサービスが存在するわけですが、その中には音声通話すると料金がかかるから代替として使っているサービスがたくさんあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。電話で伝えたほうが楽な内容なのにメールやメッセージを打ったり、電池持ちが悪くなる上に利用登録している相手としか使えず音質も劣るLINEやSkypeなどで通話したり、かける相手によって使い分けるのが面倒なのに050plusや楽天でんわなどを使ってかけたりしていませんか? スマートフォンを使い慣れてしまってあまり意識せずに使っているものも多いですが、本当は通常の音声通話のほうが便利な場面って、実は多いのではないでしょうか。

 そもそも、ユーザーがどれだけ電話をかけ、どれだけ通信をしているかを一番よく知っている携帯電話会社が『今のユーザーの利用形態に必要なのは音声通話定額だ』などと丸っきり見当違いな間違いをするはずがないと考えていいでしょう。ドコモの意図は、音声通話定額をきっかけとして再び通話の便利さに気づいてもらうところにあると思われます。かつてパケット定額制が携帯電話の使い方を一変させてしまったように、今度は音声通話定額制によって携帯電話の使い方に変化をもたらそうとしているのでしょう。それがうまく浸透していくかどうかは別として…。

 筆者は現状はそれほど通話をするわけではありませんが、ドコモ回線はさっさと新プランに変更してLaLa CallとG-Callは解約してしまうつもりです。普段電話をかけようという発想がそもそも出てこない相手でも通話料無料ならかけてみようかなと思いますし、宅配業者によっては荷物の再配達依頼は通話料有料の番号にかけるしかなかったのもこれで気にならなくなります。

 最初に『音声通話定額はすごい!』と思って『でもよく考えたらあまり使わないよな』と思ってテンション下がった方も、携帯電話の電話帳を眺めながらいざ本当に定額になった場面を想像したら、もっともっと通話をするようになると思いませんか? 筆者は携帯電話を使うのがもっと楽しくなりそうな気がして、今から楽しみです。

jawbone

長電話のお供には、満充電のヘッドセット

でもやっぱり不満は残る

 そうは言っても、新料金プランはところどころ練り込み不足の印象を受けます。シェアパックが使えれば状況次第でそれなりに割安感があるのですが、シェアパックが使えないユーザーにはちょっと悲しい料金設定だと思います。

 筆者が個人的に一番不満なのは、シェアパックの料金をひとりがまとめて払わなければならない点です。社会人ならそれぞれ自分の携帯電話料金を払っているのが普通でしょうし、それをパケット料金という一部分にしろ、ひとりがまとめて払う料金プランは逆に面倒なことになって敬遠されるだけだと思います。ドコモは夫婦と学生だけで構成される家族しか想定していないのでしょうか…。発表当初は家族と「シェアパック10」を使おうと思いましたが、支払いが面倒なことになるので諦めました。シェアパックの料金はグループ内で等分して払えるようにすべきだと思います。

 もっとも、ドコモの加藤社長は複数のインタビューで『料金もサービスも積極的に変化させていく』という発言をしていますので、ユーザーの声や他社の動向に応じて改良されていくものだと思います。「カケホーダイ」を契機として、ドコモ以外も含めてより便利で、より安いサービスが利用できる流れになっていくといいですね。

【関連記事】
解説:複雑怪奇なドコモの新プラン…結局「得をする人」「損をする人」は誰だ!

この記事にコメントする

comments powered by Disqus