韓国の大手電子機器メーカーであるLG電子は、今年5月に、新型スマートフォンである LG VELVET 5G を発表しました。
LG VELVET 5Gは、CPUはSnapdragon 765を採用しているため、スペックはそこそこのミッドハイモデルです。しかし、5G対応はもちろんのこと、4800万画素のメインカメラに加え500万画素の深度測位カメラ、800万画素の超広角カメラの3眼カメラを搭載し、4Kビデオ撮影も可能になっており、ミッドハイ機種の中ではより高機能な機種になっています。
OS | Android 10.0(Q-OS) |
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CPU | Snapdragon 765 |
メモリ | 8GB |
容量 | 128GB |
画面 | 6.8型 (2460×1080) |
カメラ | 4800万画素+広角800万画素+深度500万画素 |
インカメラ | 1600万画素 |
電池 | 4300mAh |
寸法 | 167.2 × 74.1 × 7.9 mm, 180g |
その他 | microSD(最大2TB) 対応, IP68防水防塵, NFC対応, 10W無線充電対応 |
しかしこれだけの機能では、他社製の中価格帯スマートフォンと大差はありません。サムスン電子やAppleなどがスマホシェアで世界上位を占めているなかで、他社製のスマートフォンと大きく差別化を図り躍進すべく、新たに搭載した目玉機能が、Wacom AES2.0対応の市販のスライタスペンに対応することです。
Wacom AES(アクティブ静電気結合方式)は、日本で主にペンタブレットなどを開発、製造している株式会社ワコムが開発した、ペン入力システムです。Wacomのペンタブレットは世界シェア一位で、低遅延で高精度なペン感知に加え、4096段階の筆圧検知などもできます。そのため、世界中の多くのデザイナーが利用しています。
LG VELVETでは、このWacom AES 2.0に対応する市販のスライタスペンを使用することができます。Wacomの技術は世界的に利用されているため、サードパーティー製のスライタスペンは数多く販売されています。LGはLG VELVET発売に合わせて、こちらもWacom AES 2.0対応のLG Stylus Penを発売予定ですが、ユーザーはこの他にも自分にあったスライタスペンを選択して、使用することができるようになります。機能面や価格帯など幅広い選択肢の中から選択できるため、ほぼApple Pencil意外に選択肢のないといっても過言ではないAppleのiPadとも差別化を図ることができるようになりました。
LG VELVETでは、Neboと呼ばれる筆記メモアプリを標準搭載しています。このアプリは、手書きした文字を自動的にデジタル変換してくれるほか、図形も自動でデジタル変換できます。このアプリによって、外部アプリを購入しなくてもより簡単で高機能なメモを利用することが可能です。
また、LG VELVETは、スマートフォンを2画面で使用できるアクセサリのLG Dual Screenにも対応しています。そのため、片方の画面でペンを使用しながら、もう片方の画面で別の作業をする、といったマルチタスクも可能になっています。しかも両方の画面でスタイラスが利用できるようです。強いですね。
ペンといえば、Galaxy Noteシリーズを真っ先に思い浮かべるかと思います。Galaxy NoteシリーズもWacomの技術を使用していますが、市販のスライタスペンには対応していません。
LGは、他社製のペン搭載スマートフォンについて、「薄いプラスチック製のスライタス」として、LG VELVETでは実際の筆記具の様にペンを使用できるとアピールしています。多くのデザイナーが使用している、低遅延に加え、筆圧検知も可能なプロ入力システムをスマートフォンで利用できるというのは、LG今後の最強の武器です。今後、Galaxy Noteシリーズの対抗馬としても期待できます。
https://www.youtube.com/watch?v=lBa3ExmNOyM
LG Velvet
— 📱すまほん!!5G📶 (@sm_hn) August 15, 2020