Androidのアプリストアが「登録制」になる
Googleは2026年3月4日、Epic Gamesとの和解に基づく措置として、Androidにサードパーティのアプリストア向け「Registered App Stores(登録アプリストア)」プログラムの導入を発表しました。基準を満たして登録したストアは、インストール手順が簡素化されます。
そもそもの経緯としては、Epic Gamesが2020年にGoogleのPlay Store独占を問題視して提訴。2025年11月に和解案が示され、今回はその具体策にあたります。米国外から先行展開し、米国での提供は裁判所の承認が前提。年内のAndroid 17(またはそのメンテナンスリリース)で対応する見通しです。
プログラムへの参加は任意で、登録しないストアも従来どおりサイドローディングでインストールできます。登録済みストアをユーザーが導入する際は、登録状況や利用規約、プライバシーポリシー、サポート窓口などを確認したうえで進められる流れになります。
手数料体系も変わります。Googleはサービス手数料と決済手数料を切り分けた新モデルに移行。アプリ内課金のサービス手数料は新料金地域での「新規インストール」由来の取引を基本20%(サブスクは10%)とし、Google Play決済を使う場合は米国・英国・EEAで追加5%が発生します。
「Apps Experience Program」など対象プログラムの参加開発者は、新規インストール由来が15%、既存インストール由来が20%になります。自社決済システムの併用やウェブへの誘導も選択肢として用意されます。適用時期は地域ごとに異なり、米・英・EEAが2026年6月30日、日本・韓国は2026年12月31日、その他地域は2027年9月30日までの展開です。
並行して、Googleは「Android Developer Verification(開発者認証)」も推進しています。2026年9月からブラジル・インドネシア・シンガポール・タイの4か国で先行適用し、2027年以降に順次グローバル展開する方針。開発者は身元情報(場合によっては政府発行ID)とアプリ情報(パッケージ名や署名鍵など)の登録が必要になります。未認証アプリはリスクを理解した上で進む「advanced flow」が用意される予定で、警告表示も含まれるとしています。
「署名鍵」とは、開発者が「これは自分が作ったアプリ」と証明するデジタル印鑑のようなもので、アップデート時に同じ開発者であることを端末側で確認でき、偽アプリへのすり替えを防ぎます。
この認証制度にはオープンソースコミュニティが反発しています。F-Droidが紹介した公開書簡には、EFF・Free Software Foundation Europe・Tor Projectなど多数の団体が署名。アプリ配布をGoogleの中央登録に集約する仕組みが、競争・プライバシー・開発の自由を損なうと批判する内容です。また、上級者向け「advanced flow」の具体像がまだ不透明な点も問題視されており、F-Droidは9月の要件開始までに回避手段が実際に提供される保証がないと指摘しています。
サードパーティストアの参入障壁を下げる動きと、未認証アプリへのハードルを上げる動きが同時進行するかたち。Androidの「自由にアプリを入れられる」という特長が、今後の運用次第でどう変わっていくのか、注目されます。





















