Chromebookは「安価でよく動くPC」という立ち位置が確立しており、日本では高くても10万円前後のものまでしか販売されてません。そんななか、Googleは高性能なChromeOS搭載タブレット・ラップトップにて、「Chromebook X」というブランドをつけることにより、差別化を図ろうとしているようです。9to5Googleが伝えました。
最近のChromeOSはできることが増えているようで、音声編集ソフトのAudacityや動画編集アプリのLumaFusion、さらにはAndroid向けソフトウェア開発用の統合開発環境であるAndroid Studioや、言わずと知れたゲームプラットフォームのSteamなどを実行できるとのこと。
一方で、これらのアプリは当然ながら、Chromebookに一般に求められる使途であるブラウジングや文書作成などより負荷がかかるものであって、すべての端末で快適に動作するものとは限りません。実際に、ChromeOS版Steamベータ版の必要条件は、12世代のIntel Core i3もしくはRyzen 3以上のCPUと、最低8GBのメモリと定められており、この条件を満たすことのできるChromebookはごく少数。
ChromeOSの機能を最大限に活用したい場合、高性能な端末とそうでない学生向けChromebookを区別するものが必要であると、9to5Googleは述べています。
同サイトによれば、高性能で高品質なChromebookは、今後「Chromebook X」とリブランディングを行い、専用のロゴや起動画面を備えるようになるとのこと。この名称は、すでにChromiumのソースより明らかになっているようです。
このChromebook Xは、AMDのZen2+世代以降、もしくはIntel 第12世代Core、およびインテル プロセッサー N100をはじめとしたコードネーム「Nissa」のモデルが対象となるようです。
また、GoogleがChromebookを紹介するページでは、これまでChromebookの性能ごとに「Premium」「Plus」と分類されていたようですが、5月31日付でこの表記が廃止されていたとのことで、このブランドを登場させる準備を進めていることも窺えます。
先述の通り、Chromebook Xは無印版とロゴなどで差別化を図っていますが、それだけではなく、機能面でも優位点が生まれるようです。Chromebook Xはビデオ会議で重宝する自動文字起こし機能や背景のぼかし機能、会話とノイズを分離させる機能が利用できるようです。ほかにも、以下の機能がChromebook X独自の機能として提供されるようです。
- 1日を通して見た目が変化する「Time Of Day」壁紙およびスクリーンセーバー
- 最大16の仮想デスク
- Googleドライブのファイルを「固定」し、オフラインで利用できる
- 小売店などで用いるデモモードの刷新
現時点で、Chromebook Xブランドがいつ頃提供されるかは詳しくわかっていませんが、ChromeOS バージョン115以降を使用した特定のデバイスでは、Chromebook Xのブランドが表示されるとのこと。ChromeおよびChromeOSは1か月ごとに新バージョンをリリースしているため、早ければ来月以降に何らかの展開が来ることが期待できます。
一方、9to5Googleが匿名の情報筋から得た情報によれば、Chromebook Xデバイスは今年末までに販売が開始される予定であるとのこと。これについて同サイトは、昨年秋に「クラウドゲーミングChromebook」を展開したのと同様に、複数メーカーが協調して展開していくのではないかとしています。