インテルは、デスクトップ向けとして世界最速の動作周波数を謳う、第14世代Coreプロセッサーファミリーを発表しました。例年同様、まずは熱心な愛好家やゲーマー向けのオーバークロック対応モデルからの登場です。
今世代は「Raptor Lake Refresh」と呼ばれるもので、あくまで大きくは変わらず、細かい点を刷新したり、物量で押し切ったりして性能向上を狙っているもの。
今回登場したのは6モデル。いずれも高い性能を追い求めるゲーマーやエンスージアスト(愛好家)にフォーカスし、オーバークロックに対応しています。大まかなグレードを示すCore i9/i7/i5より大きく1モデルずつ登場し、そのなかで同じ性能でGPUが付属するかしないかで2つに分かれています。
最上位のCore i9-14900Kは最大クロック6.0GHzを実現したCPU。高性能なPコアを8基、電力効率にすぐれバックグラウンドの処理を担うEコアを16基備え、合わせて24コア32スレッドを搭載します。
これまで、最大6GHzを謳ったのは「Core i9-13900KS」のみ。これは、ベースとなるi9-139000Kの中から電気特性に優れたものを選別してオーバークロックを施した、いわば果物の「特秀」にあたるようなCPUです。そのため、通常モデルでも6GHzの動作周波数を実現したのは評価できるポイントです。
中間グレードにあたるCore i7-14700K/KFは、先代のi7-13700K/KFと比べてEコアが4コア増量。8P12Eという構成で、20コア28スレッドという大所帯に。最大クロックは5.6GHzと、2年前の最高峰である12900Kすら抑える性能です。現状では最も安価なCore i5-14600K/KFは6P8E・20スレッドという構成で、最大5.3GHz。
このほか、新しく「エクストリーム・チューニング・ユーティリティー」にAIアシスト機能を追加。オーバークロック対応CPUは、ワンクリックでAIによるオーバークロックの自動最適化を行ってくれます。
将来に備え、Wi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応。近い将来に登場するであろうWi-Fi 7対応アンテナやカードを挿入すると、理論上は最大46Gbps(!?)という速度での通信が行えます。また、次世代の高速通信規格であるThunderbolt 5に対応。双方向で最大80Gbpsの帯域幅を持ち、外付けGPUやディスプレイへのデータ転送も行えます。
価格は以下の通り。すでに国内でも販売を開始しています。円安の影響か、昔に比べるとずいぶん価格帯がシフトしてしまった印象を受けます。
Core i9-14900x | Core i7-14700x | Core i5-14600x | ||||
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GPU | K(GPU搭載) | KF(非搭載) | K(GPU搭載) | KF(非搭載) | K(GPU搭載) | KF(非搭載) |
価格 | 10万9800円 | 10万5800円 | 7万8800円 | 7万4800円 | 5万9800円 | 5万5800円 |