2024年現在も賛否両論のVRデバイスMeta Quest Proですが、同デバイスのリリースを、元メタ社のジョン・カーマック顧問CTO(当時)が止めようとしていたことが判明しました。
Quest Proは2022年に発売。一応ハイエンド機という位置付けで、パンケーキレンズの採用による薄型化や画質向上などを実現。フェイストラッキングやアイトラッキングといった機能も標準搭載しています。
その一方で、価格は約22万円(リリース時)と非常に高価で、MR機能についても「Quest 2よりは進化した」程度。特にMRについてはメタ社が発売前に盛り上げていたので、落胆の声も少なくありませんでした。
カーマック氏は、2019年までOculusでCTOを務め、その後メタ社になった後は顧問CTOとして同社に関与していた人物です(2022年に退職)。
当時の状況について、同氏は「私はQuest Pro(のプロジェクト)を止めようと強く試みました。商業的に上手くいかないことが目に見えていた上、チームが1年間、一般ユーザー向けの製品を担当できなくなるからです」と説明しています。
I tried hard to kill the Pro completely, I had very high confidence that it would be a commercial failure and distract the teams for a year, preventing them from doing more valuable work on mass market products.
Still, to be fair, you can’t really compare the wired PSVR2 with…
— John Carmack (@ID_AA_Carmack) June 7, 2024
カーマック氏は、低価格帯のVRデバイスがVRの普及に重要という考えで有名。そんな同氏がQuest Proの開発中止を試みたというのは、正直納得できる話です。
個人的にはQuest Pro、先述したフェイストラッキングやアイトラッキングが「VRChat」で便利なので、そこまで悪くないと思うものの、かなりニッチな仕様なのは事実。
噂のQuest Pro 2は、その辺りを改善した本気のハイエンドになってほしい……のですが、コチラも先行き不透明なので悩ましいところです。