アップルが新たな自社モデムチップの開発を進めていることが明らかになりました。アナリストの郭明錤氏が投稿しています。
まず前提として、Apple自社製モデムチップ「C1」はベースバンド部分は4nmまたは5nmプロセス、低周波/Sub-6トランシーバー部分とIF(中間周波数)トランシーバーは7nmプロセス、電源管理IC(PMIC)は55nmプロセスで製造されているそうです。
来年には改良版C1モデムの量産が予定されており、注目すべき点は、ミリ波(mmWave)対応です。
この改良版C1は、電力消費の改善や通信速度の向上が図られる見込みです。また、28nmプロセスで製造されるトランシーバーおよびフロントエンド部品を含むmmWave(ミリ波)のサポートも追加されるそうです。ただし、関係者によれば、mmWaveサポート自体は技術的に特に難しくないものの、低消費電力で安定した性能を実現することが依然として大きな課題となっているとしています。
プロセッサーやGPUと異なり、ベースバンドチップは投資収益率、投資対効果が高くないため、最先端の製造プロセスを積極的に採用する傾向がなく、Appleのベースバンドが来年3nmプロセスに移行する可能性は低いとされています。
また、最先端のプロセスノードを採用してもベースバンドの通信速度は大幅に向上しないという特性があります。最先端プロセスはベースバンドの電力効率を改善できますが、モバイル端末のワイヤレスシステムにおいて、ベースバンドは最も電力を消費するコンポーネントではないという点も指摘されています。
アップルが自社モデム技術の開発を進め、Qualcommなどの外部サプライヤーへの依存度を下げていることが伺えます。
Apple’s C1 modem process technology:
– Baseband: 4/5nm (both technologies are similar)
– Low-frequency/Sub-6 TRx (Transceivers): 7nm
– Intermediate Frequency (IF) TRx: 7nm
– PMIC: 55nmThe C1 refreshed version is under development for mass production next year, aiming to improve…
— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) March 6, 2025