昨今のコンピュータウイルスの問題で、パソコンにばかり注目が集まっていますが、私たちが気にするべきは、パソコンだけではなくスマートフォンも含まれます。よく考えてみてください、私たちのスマートフォンには、何百もの個人情報と個人を特定しうる情報が入っており、プライベートな写真も山ほど入っています。
普段、意識をしていませんがこれほどまでに攻撃しがいのあるシステムは、ほかにないのではないでしょうか。もしも私が悪魔に良心を売ったのならば、間違いなくスマートフォンを攻撃します。
そのような状況で、専門的な知識がなくても、知っておくべき心得を2つ。それから、簡単な対策を5つ紹介します。
自分は標的にならないという考えを捨てよう
交通事故は誰にでも襲いかかるように、悪意のあるソフトウェア(以下、マルウェアと称します)の被害は、誰にでも襲いかかります。
攻撃する側としては、下手な鉄砲も数を撃てば当たるのです。たとえ、あなたが貴重な情報を持っていなかったとしても、あなたが不特定多数の人間にマルウェアをばらまく、感染源になる可能性もあり得ます。
スマートフォンの内部動作は予想以上に見えない
スマートフォンは、パソコンをより抽象化し単純化したもので、誰にでも簡単に扱えるようになっている反面、内部の動作が非常に見えづらくなっています。
内部の動作が見えないことは、反面としてユーザに不要な情報を与えずに、必要な情報だけを提供し、使い勝手に混乱をもたらさない利点を持ちます。
しかし、逆に言えば、内部の動作が見えづらい以上、不審な動きをしているアプリケーションも見えづらくなります。すると必然的に意識的に不審な動作をするアプリケーション、つまりマルウェアに目を光らせる必要が出てくるのです。
ただ、それはとても面倒くさいことで、専門的な知識も必要になりますし、Androidはまだ、市場に投入されて間もないOSということもあり、ノウハウの蓄積も多くはありません。
そこで、誰でも意識さえすれば、実践できる対策を5つ紹介します。
Google Playでのみアプリケーションをインストールした方がいい
Google Playで提供されているアプリケーションは、一定の安全性が担保されています。時として、問題のあるアプリケーションが見つかり、問題となりますが、それは配布されているアプリケーションのうちのごく一部に過ぎません。GoogleはPlay ストアで配布されているアプリケーションのセキュリティに力を入れています。Play ストアを使うことにより、不審なアプリケーションを足切りすることができるのです。
かつてのAndroidでは、いわゆる野良マーケットを使った方が便利なアプリケーションを見つけることができましたが、今ではPlay ストアも充実しており、よほどイレギュラーなアプリケーションを探さない限りことが足りてしまいます。
Play ストアでも、疑いの心を持とう
じゃあ、Google Playで配布されているアプリケーションがすべて安心かといえば、もちろんそのようなことはありません。一定の足切りはできていても、マルウェアは時として混入します。ではそのとき、私たちはどうすればいいのでしょうか。
単純な話で、疑えばいいのです。とても面倒くさいように感じるかもしれませんが、作業は簡単で、何も考えずにインストールのボタンを押すのではなく、アプリケーションの説明を読みましょう。
その説明に、首をひねりたくなるような文言があったり、説明が不十分だなと感じるアプリであれば、インストールすることはやめましょう。それが最大のリスク回避です。
(もちろん、限度がありますが)
不正なライセンスのソフトウェアを使うのは論外
いわゆる「割れ」と呼ばれるソフトウェアを利用するのは論外です。たかが数百円のアプリケーションにすらお金が払えないのであれば、あなたはスマートフォンを使わない方がいいのではないでしょうか。
不明な提供元からのインストールは不許可
これは若干、過剰に防衛をしすぎている感もありますが「念のため」の処置です。
Androidの設定項目の中の[セキュリティ]の項目にある[不明な提供元] Playストア以外で購入したアプリケーションのインストールを許可する にチェックが入っている場合は、このチェックを外しましょう
このチェックを外せば、Playストア以外の、いわゆる野良マーケットからアプリケーションをインストールすることが不可能になりますし、よくわからないAPKファイルを何も考えずにインストールする前のストッパーの役割をしてくれます。
アンチウイルスソフトを過信しない
Android向けのアンチウイルスソフトが市場に数多く出回っていますが、その性能を過信してはいけません。アンチウイルスソフトさえ入っていれば、100%マルウェアに感染しないわけではありません。
筆者の個人的な感想を述べると、Android向けのアンチウイルスソフトは気休めのレベルです。
「じゃあ、インストールする意味がないのか?」 いいえ、そんなことはありません。たとえ、気休めであったとしても、ないよりはあった方がいい、しないよりは施した方がいい、それが今のAndroid向けアンチウイルスソフトです。
最後に
なんとも、とりとめのない文章となってしまいましたが、やはり肝要なのは「自分がいつ被害者になるかわからない」という危機意識を常に持つことだと思います。