かつてCPU業界の最大手だったIntelですが、近年は業績面で厳しい状況に直面しています。
Intelの時価総額は30年ぶりに1000億ドルを下回り、クアルコムの時価総額約1900億ドルの半分以下となっています。こうした状況の中、AppleやSamsungによるIntelの買収の可能性が浮上しているとPhoneArenaが伝えています。
また、Snapdragonのチップを製造している同業他社のQualcommもIntel買収を打診しているとロイター通信が報じています。これらについて、現時点で各メーカーからの公式発表はありません。
クアルコムのインテル買収提案については、実現すれば、スマートフォン、パソコン、サーバー市場で大きなシェアを持つ企業が誕生することになります。世界的に厳しい反トラスト法(独占禁止法)の審査に直面する可能性が指摘されています。
QualcommのSnapdragonは、従来Androidスマートフォンで使用されてきたSoC(システム・オン・チップ)ですが、ここ数年はPC向け市場にも広がりを見せています。たとえば、PC向けのSnapdragon XシリーズはMicrosoftのSurfaceデバイスにも採用されるようになり、ARMアーキテクチャを基盤とする製品ラインが拡充されています。
スマートフォン向けのARMアーキテクチャに基づく技術が、現在PC市場で浸透し、今後も成長が期待される中、もしApple、Samsung、QualcommのいずれかがIntelを買収すれば、PC業界の勢力図を一変させる可能性もあるかもしれません。
IntelもSoCを開発する一方で、製造部門も自社内で保有しています。AppleとQualcommはチップの製造を台湾のTSMCに依存しているため、この二社がIntelの製造部門を手に入れれば、独自の製造ラインを持つ展開も考えられます。
今後の業界の方向性がどのように変わるのか、引き続き注目が集まります。