SoftBankは、新しいパケット定額プランとして、「データ定額20」(月額6,000円※本記事の価格表記は全て税別)及び「データ定額30」(月額8,000円)を発表しました。既存の「データ定額パック・標準(5)」と比較して、月額1,000円追加することで、データ容量が4倍になると謳い、「ギガモンスター」のキャッチコピーで訴求していくとしています。
データ定額パック・標準(8)/大容量(10)~(30)は、「家族データシェア」向け以外、新規受付終了となります。(後述)
新規契約・機種変更の利用者からは9月13日から、それ以外でのプラン変更は9月29日から受け付け開始としています。
また、今回のプラン追加に合わせて、各「データ定額パック」が「データ定額」に名称変更されるなど、一部料金サービスの名称が変更されます。
9月13日以降の料金体系(月額)
基本プラン |
パケット定額プラン |
スマ放題ライト(通話定額ライトプラン) 基本料1,700円+ISP料金300円 |
データ定額ミニ 1GB 2,900円 |
データ定額ミニ 2GB 3,500円 |
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データ定額 5GB 5,000円 |
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スマ放題(通話定額プラン) 基本料2,700円+ISP料金300円 |
上記プランに加えて |
データ定額 20GB 6,000円 |
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データ定額 30GB 8,000円 |
一見するとデータ通信量が大幅に値下げされたようにも見えますが、落とし穴も多々あります。今回追加されるデータ定額 20GBと30GBは、大きく次の3つの制約が課せられます。
- 家族データシェアでは利用不可
家族でデータ通信量をシェアできるサービス「家族データシェア」の親回線としては加入できません。シェアできるのは「データシェアプラス」のみとなり、せっかくの大容量も2回線までしか分け合えないことになります。なお、家族データシェア向けには、従来の8GB~30GBのプランが「家族データ定額 ○○GB」に名称変更された上で存続します。
- テザリングオプションの利用料が月額1,000円
従来のデータ定額パック加入者には無料でテザリングが提供されていましたが、新しい2つのプランに限っては有料となります。ルーター代わりに利用されるのを嫌っての価格設定でしょうか。
- スマ放題ライト(通話定額ライトプラン)では利用不可
5GBを超えるデータ容量で利用したい場合、月々の最低料金はスマ放題ライト+データ定額パック・標準(8)の8,700円から、スマ放題+データ定額 20GBの9,000円にわずかながら値上げとなります。ただし、従来のプラン加入者は引き続きそのままのプラン・料金で利用できます。
今回のSoftBankの発表には、docomoの新料金プランを完全コピーしていた状態から打って変わって、一気に料金競争を仕掛ける大胆な姿勢が強く感じられ、非常にわくわくさせられます。毎月のデータ容量を使い切って低速化するのが常態化していたヘビーユーザーには非常に魅力的なプランとなるでしょう。
しかし、従来のプランから変わって、スマートフォン等を一人で利用する場合と、家族で利用する場合とでプランが分かれ、やや複雑になってしまった印象があります。また、上に挙げたような様々な制約もあり、お世辞にも使い勝手がいいとは言いにくいです。単身利用と家族利用とで大きく料金が異なるのも、納得のいかないところです。SoftBank回線全体のトラフィックが急増し、全ユーザーの回線品質が低下するのではないかという心配もあります。
ともあれ、停滞していた料金競争に一石を投じたことは間違いありません。競合2社との切磋琢磨の中で、さらにユーザーにとって使いやすいようにプランが改善されていくことを期待します。