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鳴り物入り携帯サービス「トランプモバイル」の正体が判明。実は既存MVNOの看板替え

 「Trump Mobile」として発表されたMVNOサービスをめぐり、既存の格安キャリア「Liberty Mobile」が運営面で深く関与しているとThe Vergeが報じました。

 Trump Mobileは「別ブランド」として打ち出されていますが、裏側ではLiberty Mobileが技術面だけでなく、法的・財務的な手続きの面でも大きく関わっている、という話だそうです。

 The Vergeの取材に対し、Trump Mobileの幹部であるDon Hendrickson氏は、Liberty MobileがTrump Mobileと「臍の緒で繋がっている」と語ったといいます。利用規約にも「powered by Liberty Mobile Wireless LLC」との記載がありますが、それ以上に密接な関係がありそうです。

 Hendrickson氏によれば、州ごとの登録や税、E911(緊急通報)関連の費用、キャリアとの連携、そして通信品質の最適化に関わる技術体制など、運営上の主要部分をLiberty Mobile側が担っているとのことです。もう一人の幹部Eric Thomas氏も、Liberty MobileをTrump Mobileの「実現者(enabler)」と呼んでいます。

 Liberty Mobileは大手キャリアの回線を借りてサービスを提供するMVNOで、自由をテーマにした赤・白・青のブランディングで保守層を意識した訴求をしてきたそうです。料金面では、月額17~40ドルのプランがあり、国際通話(対象国へのダイヤル通話)を含むプランが多いようです。Trump Mobileの月額47.45ドルの単一プランよりは安価ですが、Trump Mobile側にはロードサービス、端末補償(device protection)、遠隔医療(telehealth)といった特典が付いているとされています。

 経営体制も興味深い点があります。The Vergeの記事では、Hendrickson氏、Thomas氏、Pat O’Brien氏の3人がLiberty Mobileのオーナーでもあると説明されています。一方で州の事業者記録では、Matt Lopatin氏がLiberty Mobileの創業者兼CEOとして記載され、前述の3人の名前が出てこないとも報じられています。さらに登記上は2018年に登録された形跡があるのに対し、Hendrickson氏は「2006年から事業を行っている」と述べたとされ、食い違いもあるようです。

 また、Trump Mobileが「こうしたやり方」の初挑戦というわけでもないようです。The VergeによるとLiberty Mobileは以前、メキシコ出身のボクサーCanelo Álvarez氏と組んだ「Canelo Mobile」を2020年5月に立ち上げ、メキシコ系アメリカ人を主なターゲットにしたMVNOを運営していました。端末はHotpepper製の廉価モデルで、端末ハードそのものにCaneloのロゴは入っていなかった一方、アクセサリー類のブランディングや、Canelo関連アプリのプリインストール、グッズ同梱のバンドル販売などで「スターの名前」を前面に出していたといいます。今回のTrump Mobileとも、構図が近い部分があるのかもしれません。

 「Trump Phone」とも呼ばれる端末「T1 Phone」も開発が続いており、来月にも発売される可能性があるとされています。The VergeによればSnapdragon 7シリーズ、5,000mAhバッテリー、512GBストレージ、セルフィーカメラと背面メインカメラに5000万画素センサーを搭載するようです。

 なおLiberty Mobileの登記住所は、フロリダ州サニーアイルズビーチの16001 Collins Avenueで、Trump Towersとして知られる集合住宅だとThe Vergeは報じています。The Vergeは幹部陣に組織構造の詳細も求めたものの、数週間経っても回答が届いていないとのことです。MVNOという差別化が難しい業態で、政治的ブランド力を前面に出す手法がどこまで通用するのか、端末の発売動向とあわせて今後の展開が注目されます。

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