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窮地のJDI。中国メーカーが救いの手を差し伸べる?

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 経営難に喘ぐ液晶パネル国内大手のジャパンディスプレイ(JDI)は、早期退職者3000人以上の募集や国内拠点の休止、有機ELへの転換などによって黒字化への転換を模索しています。

 そんな窮地のJDIに、「天馬微電子」が出資を提案していることがわかりました。同社は中国航空技術国際傘下の企業で、深センに拠点を置く中小型パネルの製造メーカーです。

 日刊工業新聞社の報道によると、同社はJDIの筆頭株主である産業革新機構の持つ35%の株式買取を提案しているそうです。

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 このほか、京東(BOE)、China Star Optoelectronics Technology(CSOT)も接触している一方で、JDI側は当面の経営再建は自力再生を目標にしており、交渉のテーブルにはついていないとのこと。

 JDIは、SONY・東芝・日立製作所の中小型液晶事業を統合した会社で、その筆頭株主は経済産業省が所管する官民合同ファンド「産業革新機構」です。同機構の出資額のほとんどを日本政府が占めており、事実上政府の意向が反映されます。しかし2016年には当時の世耕弘成経済産業大臣がJDI売却を示唆したと報じられたこともありました。

 中小型有機ELは、韓国メーカーのSamsungが圧倒的なシェアを持ちます。こうした状況の中、次世代iPhoneで有機ELを搭載するAppleは、リスクヘッジのために有機ELパネルの調達先を分散したいという本音があります。Sony MobileのXperiaも、JDI製の有機ELを採用するとの報道があります。有機ELへの大きな需要が存在する中で、Appleを主要な取引先としているJDIに中国のパネルメーカーが目をつけるというのは自然な流れだと思います。

 JDIは果たしてどのような経営再建の道を歩むのでしょうか。様々な可能性が考慮される事態だけに、注目です。

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