各社の有機ELテレビ、どのメーカーがおすすめ?

 今年になって、国内メーカー各社が参入して、本格的に市場が動き始めた有機ELテレビ。新宿の家電量販店で人気・オススメモデルについて聞いてきました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA


――有機ELテレビの全体的な動きはどうですか?

 4Kテレビが登場した時よりも、いい感触があります。あの時は4Kコンテンツも出てきていませんでしたし、正直なところ、フルHDと4Kの違いなんて、ぱっと見わかりませんから……。「これがハイエンドモデルです」という売り方でしたね。ただ、液晶と有機ELは発色が根本的に違うので、「やっぱり有機ELはキレイだね」と、誰でも実感できると思います。

――人気のモデルは?

 圧倒的にソニーのBRAVIA A1、55インチ(税抜44万9,800円)が人気です。シェアでいえば、7割くらいはとっていると思います。有機ELテレビはどれもLG製のパネルを使用していますが、東芝は昨年の旧式パネル、パナソニックはハイエンドモデルだけが新型のパネル、普及モデルで新型パネルを使用しているのは、ソニーだけなので。並べてみると、やはり発色がほかのメーカーとは全然違いますよ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

(写真右下がソニーKJ-55A1、右上はLGの液晶テレビ)

――ソニーらしい、コントラストのはっきりした画面ですね

 はい、パネルがいいことに加えて、画像エンジンの質もソニーが一番いいと思います。同じパネルを使用しているLGのOELD C7P(写真上段右から2番目・55インチは税抜29万8,790円)と比べても、差は明らかです。4Kアップコンバート機能も、LGは国内メーカーと比べると弱いです。価格は国内メーカーよりも15万円程度安いのですが、いまいち売れていない理由は、その点ですね。

――今回、スピーカーにこだわったメーカーはありますか?

 有機ELは液晶と同じように「薄型テレビ」で、本体が薄くなるとスピーカーがどうしても小さくなってしまうため、昔のブラウン管テレビと比べると、どうしても音響は弱いです。この問題への対策でも、ソニーが頭一つ抜けています。画面全体を振動させて音を出す方式なので、ちゃんと音が前へ向かって出てきます。他のモデルは、スピーカーが下向きなので、普通の「スピーカーがダメな薄型テレビ」です。

――なんだか、ソニー以外はいいとこなしみたいですね

 パナソニックEZ950(55インチ・税抜43万9,880円)も東芝X910(同・税抜44万9,880円)も、ソニーの税抜44万9,800円と同価格帯で、しかもパネルが旧型なので、そこであえてソニー以外を選ぶ理由は、普通はないと思います。

――東芝REGZAといえば、一定のファンがついていそうですけど……

 液晶だと結構強かったのですが、有機ELだとパナにも負けています。誰がどう見ても「倒産寸前」という、企業イメージも売れ行きに影響しているのかもしれません。どうなろうとも後継会社がちゃんとやるでしょうけど、アフターサービスは大丈夫なのかと心配だというお客さんはいますね。

 東芝が昔からやっている、ハードディスク容量に応じて、常に一定期間分の全チャンネル全番組を録画する「タイムシフトマシン」機能は、根強いファンがいますが、シェア順位に影響するほどのインパクトはありません。

――ソニーといえば、Android TVの評判はどうですか?

 一応、問い合わせ自体はけっこう来ているので、使ってみている人はいると思うのですが、「こう活用しています!」という声はあまり聞きません。

 リモコンがダメだと思うんですよね、十字キーで操作というのは、使いにくいと思います。それこそWiiのようなLGのスマートリモコン方式だったら、使いやすくなると思うのですが。任天堂のリモコンはパクれない、みたいなプライドがあるのでしょうか。

 音声検索機能は使いやすいので、ソニーもそこ推しで販促をしています。それだけなら、パナソニックやLGでもできるんですけどね……。ただ、音声認識がうまくいかなかった場合、やっぱり十字キーでポチポチ操作しないといけないのは、全然スマートじゃなくて耐え難いです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

――ほかに、有機ELで面白い商品はありますか?

 LGから出ている壁掛けタイプのモデル、OELD 65W7Pが面白いです。厚さ3.9mmと、額縁よりも薄いです。テレビのデザインは、パネルは黒枠の一枚ガラス、枠は極力細く、というのが今の流れなので、どのメーカーも特徴の出しようがありません。差異化するならこの路線かな、という気はします。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 画面は本当に有機ELだけで、チューナーなどの「本体」は、バースピーカーの中に入っています。もちろん、本体と画面をつなぐケーブルがあるので、そこは壁に穴をあけて配線工事をする必要があります。売り場では、壁と同じ白色のテープを上から貼っています。

 弱点としては、画面が薄すぎて、少し波打っているように見えます。強度が課題ですね。それと、65インチ以上のサイズしかないのですが、このサイズのパネルはあまり枚数を作っていないので、どうしても価格が跳ね上がってしまいます。税抜85万円は、なかなかポンと出せる人はいませんね。