MVNOに危機到来。docomo withにiPhone 6s投入

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 NTT docomoは、iPhone 6s(32GBモデル)を「docomo with(ドコモウィズ)」の対象端末として追加することを明らかにしました。

 docomo withは対象端末を購入すると税別1500円/月の割引を、次の機種変更等まで永年受けられるというもの。

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 月々サポートなど従来の通信料からの割引は、総務省の端末購入補助ガイドラインの規制対象でした。しかしドコモは指定端末購入を条件に通信料金自体を下げているだけという名目で導入。指定端末の価格も3万円台に抑えることでガイドラインに抵触しないよう建付けがなされています。

 実際、今回docomo with入りしたiPhone 6sの端末価格も税別3万9600円と、ギリギリ3万円台に収めています。

 docomo with自体がMVNOへの顧客流出を回避する側面を持っています。このプランはあくまで低性能な格安Android機を投入する枠でしかなかったのですが、今回新たに、圧倒的商品力を持つAppleのiPhoneがこの枠に登場したことは、非常に大きな意味を持ちます。

 従来、携帯大手各社から目玉商品として取り扱ってきたiPhone。これをAppleからMVNOが調達するのは困難で、せいぜい型落ち機種を「独自調達」する程度。

 つまりMVNO対抗格安プランで型落ちの格安iPhoneが出るというのは、MVNOにとっては非常に深刻な脅威となるのは間違いありません。

 育つべき新規プレイヤーMVNOに真っ向から対抗する施策なわけですが、総務省がこれを阻止することはないでしょう。政権側は「4割値下げ」というボールを投げており、この意向に沿うかのような、さも誠実であるかのようにアピールできる、政治的に絶妙なタイミングで投入された本施策。総務省も当然これを容認するでしょう。

 日本経済新聞によれば、ソフトバンクもこのプランに追従予定とのこと。 

 端末代と通信料を分離するプランは、キャリアが端末を販売する海外諸国でも導入例があります。菅官房長官が例に挙げたイギリスでも類似の販売方式が選択できます。

 これ自体は歓迎すべきではあるものの、下手をすればMVNOの芽が育つ前に刈り取られかねません。参入プレイヤーの減少が競争を鈍化させることは、3年前の政権の携帯値下げ指示前の惨状を見れば明らかです。MVNOへの影響を慎重に見極める必要があります。

 衰退の元凶郵政官僚、資本主義国家と思えない政権の「4割値下げ指示」、かこつけてMVNOへの新たな一撃を加えるMNO、状況は悲観的ですが、見かねて介入を始めた公正取引委員会は、算定根拠不明のMNOの接続料が競争阻害要因になっていると的確に指摘、援護射撃をしています。慎重に事態の推移を見守りたいところです。