中国国営メディアの新華社通信が、改革開放以来40年間の通信機器普及率の変遷について振り返る記事を掲載していました。今でこそ中国といえば大手スマホメーカーが林立する国家になっていますが、つい最近までは発展途上国。その驚きの通信機器普及の過程を、たどってみましょう。
7億人民が毛主席語録を暗唱し、学生らは紅衛兵運動で盛り上がり過ぎたため、「知識青年は農村に行けよ捗るぞ」と都市から追い出されていた文化大革命が終結し、改革開放が始まった1978年、中国の固定電話利用者数は192.5万戸、普及率は僅か0.38%。もちろん、携帯電話はありませんでした。
1980年代中頃、中国でも携帯電話が出現、「アニキの大きなやつ」という意味の「大哥大」と呼ばれ、持っていることはお金持ちの象徴であったと言います。これ、中国語の教科書とかで登場しますが、当然ながら死語です。
1997年、中国の携帯電話普及率は1.07%、携帯電話を含めた電話普及率は8.11%だったそうです。固定電話も、全然普及していなかったんですね。2001年、中国の携帯電話ユーザー数が1億を突破、普及率は6.72%、電話普及率は19.10%となったそうです。
2005年、携帯電話の普及率は30.26%、電話普及率57.22%になったといいます。この頃は、蘇州などの比較的大きな都市でも、街角に「话吧」、電話カフェと呼ばれる店がありました。長机に固定電話が並べられており、そこで通話して、ディスプレイに表示された料金を支払う、という形式のものです。これも、今では絶滅していると見られます。
2010年、携帯電話普及率64.36%、電話普及率86.41%。2015年、携帯電話普及率92.49%、電話普及率109.30%。最新の統計である2017年末のデータでは、全国の電話利用者数は16億1,125万戸、そのうち携帯電話利用者は14億1,748万戸で、携帯電話普及率は102.5%になったといいます。ほぼ、全人民に携帯電話が行きわたったようですね。
2018年6月までに、中国のインターネットユーザー規模は8.02億人、普及率は57.7%。携帯電話インターネットユーザー数は7.88億人、インターネットユーザーが携帯電話を利用して接続する比率は、98.3%だそうです。
目覚ましい速度で発展してきた中国の携帯電話市場ですが、どうやら普及も頭打ち。中国メーカーが、インドや欧州市場へ注力しているのもうなづけます。日本で中国スマホが出そろうのも、近いかも知れませんね。