「不正なプログラムのアドレス」を書き込んだ疑いで、兵庫県警が1人の女子中学生を補導、他2名の男性を家宅捜索、今後書類送検するとNHKが報じました。
画面の真ん中に「何回閉じても無駄ですよ〜」という文字や顔文字などが表示される、という報道内容から、数年前から存在する有名なブラクラであることを簡単に突き止めることができました。
ソースを見ると全く特殊なものではなく、JavaScriptのfor文をループさせるだけの極めて短く、初歩の初歩といった簡素なコード。
筆者がAndroidのChrome、iOSのSafari、PCのChrome、Edge、Firefoxにて確認したところ、単にタブを閉じるだけでメッセージ表示が終了。「不正なプログラム」といった大層なものではなく、もはやブラクラと呼ぶことすらおこがましい、あまりにもくだらないジョークプログラムです。
こんなもののリンクを貼った程度で家宅捜索から書類送検までするというのは税金泥棒であるどころか、恐怖を煽り市民生活に脅威を与えるばかりで、断じて許されるべきものではありません。特に何気なく微笑ましいイタズラをした程度の認識であったろう女子中学生の心中を思えば気の毒でしかありません。どうか親御さんや先生方は警察の言い分を鵜呑みにせず寄り添ってあげて欲しいと切に願います。
そんな警察のサイバー捜査に異議を唱えるべき報道機関は、ITに疎い社会部が唯々諾々と大本営発表を垂れ流す、これはCoinhive事件に関して行われた極めて問題のある報道と同じ構図です。
このような状況で、サイバー空間上で、国民の生活に欠かせない情報収集活動に関わる違法ダウンロード拡大を行えば、また悲しい想いをする一般国民が増えることになるのは明らかであり、萎縮効果による創作・表現・研究活動への悪影響も想定されることから、絶対に容認してはならないと感じます。