大人向け?ドラマ部分が面白い昭和「ゴジラ」3選。(あやさん) すまほん!!

 新型コロナ肺炎騒ぎにより、飲み歩きにも出かけられず、暇をかこっている読者の皆様も多いかと思います。そこで、無聊の慰みにでもと、アマゾンプライムビデオで観られる名作を紹介しようという本企画。今回は、「ドラマ部分が面白いゴジラ(昭和)3作」をご紹介します。

 何故昭和ゴジラなのかと言えば、筆者が子供の頃、1作平均30回は見たことがあるからです。

(1954年 初代ゴジラ ポスター 東宝株式会社 画像出典:Wikipedia

 今回はその中から、独断と偏見で「大人が観て面白い」と思う作品を、3作厳選してご紹介します。

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大人向け、ドラマが面白い昭和ゴジラ3選

キングコング対ゴジラ

 まずご紹介するのは、昭和ゴジラシリーズ第3作となる、昭和37年公開「キングコング対ゴジラ」。ゴジラシリーズ初の天然色作品という記念碑的な作品の対戦相手は、米国の生んだスター怪獣、キングコング。

 日米花形怪獣の共演となった本作品は米国でもユニバーサル・インターナショナルが配給会社となって公開されました。二大怪獣のプロレスもさることながら、注目はドラマ部分。

 そもそも何故キングコングは日本でゴジラと闘うことになったか?

 このストーリーの中心となるのは、パシフィック製薬

 なお、ライバルはセントラル製薬なので、プロ野球の「セ・リーグ」「パ・リーグ」から来ていますね。

 さてパシフィック製薬ですが、スポンサーになっているテレビ番組がつまらん、もっと斬新なアイデアはないのかと社長からお怒りを食らった広報部長は、南の島に「魔神」がいるとの話に食いつき、広報部員にちょっと探してこいと無茶振りします。

 そんな中、北極海ではゴジラが氷山の中から出現、ライバルのセントラル製薬がこの特集を組み、パシフィック製薬の広報部長は「巨大なる魔神はまだか」とカンカンに。

 原住民の酋長にラジオをプレゼントしたり、部長から電報で剣突を食らいながらも、涙ぐましい努力を続ける広報部員が見たのは、魔神も魔神、キングコング。報告を聞いた広報部長、「キングコングを捕獲して日本につれてこい、イメージキャラクターにしたら宿敵セントラル製薬に勝てる」と大喜び、「ゴジラなんか一捻り、パシフィック製薬のクスリを飲んでるからね」と、早速キャッチコピーを考え出して大はしゃぎします。「この会社はヒロポン(覚醒剤の一種)でも売っているのか?」と突っ込みたくなります。

 「キングコング対ゴジラ」の本当のタイトルは、「パシフィック製薬対セントラル製薬」なのかもしれません。広告商業精神の浅ましさを描いた怪作とも言えるでしょう。

モスラ対ゴジラ

 昭和39年公開のゴジラシリーズ第四作「モスラ対ゴジラ」。対戦相手は、昭和36年公開映画で主役を張ったモスラ。「マッハ3の巨蛾」と「ミサイル重戦車のゴジラ」による対決と謳われています。

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 ドラマの主人公は新聞記者の男性とその助手でカメラマンを務める女性。

 風速80mの超巨大台風により、東海地方の浜に打ち寄せられた「卵のオバケ」。漁師たちは「なんずらあれは」と怖気づきますが、神主に「祟りが起こらぬよう祈祷したから行って来い」と励まされ、手漕舟で卵を拾いに行きます。未開国っぽいですね。

 大学教授が卵の調査をしているところへ、主人公の記者と助手が取材をしていると、「勝手に触るな」とやってきたのは、漁師たちから122万4560円で卵を買い受けたというチョビヒゲの興行主。半端な金額ですが、「卸で卵一個8円の統制価格にもとづき、卵15万3820個分とみて算出」した金額だそうです。なんだかよくわかりませんが、統制価格なら間違いないでしょう。

 そんなわけで卵を見世物にして儲けようというチョビヒゲですが、南の島から可憐な双子の小人「小美人」がやってきて「卵を返してください」と訴えるのを見て、これはもう当然捕まえて見世物にしようとします。

 そんなこんなでドタバタやり、今度は台風で浸水した伊勢湾の工業団地建設予定地へ視察に来た県会議員と、放射線の取材に来た主人公たちがまた悶着を起こしていると、ゴジラが出てきて大騒ぎ。

 ゴジラはお約束どおり名古屋城を破壊しますが、実はセットは撮影スタッフが誤って壊してしまい、編集で処理したとか。昭和30年公開「ゴジラの逆襲」でも大阪城天守閣をスタッフがすっ転んで壊し、作り直したそうですが、どうも肝心なセットはうっかり壊される運命にあるのでしょうか。

 ゴジラ対策について、上司から「新聞記者の役目は政府と国民をつなぐだけのパイプじゃない」と発破をかけられた主人公たち、「モスラに頼もう」と相談がまとまり、原水爆実験で荒れ果てた南の島、インファント島へ。原住民は何故か日本語が通じたものの、交渉の行方や如何に?

 「いいもの」の新聞記者と、「わるもの」の興行主、ともに良い味を出した名作です。

ゴジラ対ヘドラ

 最初の「水爆大怪獣」イメージはどこへやら、いつの間にか「人間の味方」「正義のヒーロー」となってしまい、毒気が抜かれた昭和ゴジラですが、昭和46年公開の「ゴジラ対ヘドラ」は、「公害」をテーマにした硬派?な社会派作品。

 ヘドロから産まれた怪獣・ヘドラが人類を滅亡の淵へ追込む、というお話なのですが、サイケティックな色彩表現、ポンチ絵的なアニメーションなど、ゴジラシリーズには後にも先にもない、如何にも「昭和40年代の前衛的な表現」が多用されているのが特徴。

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 インパクト十分、ぜひ聴いていただきたい主題歌「かえせ! 太陽を」をBGMに、ボディペイント(のタイツ)のお姉さんたちがディスコで踊り狂うサイケなシーンは白眉です。全国のお子様に「なにこれ」と言わせたことでしょう。

 ヘドラの撒き散らす硫酸ミストを浴び、変色しながら白骨と泥になっていく人々、「ヘドラに何が効くかと言われてもまったく未知の生物ですからわかりませんが、案外酸素が効くんじゃないでしょうか」という学者先生の適当なコメント、「政府は何をしている、酸素を撒け酸素を」と怒る国民、申し訳のようにヘドラに向かって酸素ボンベを投げつける自衛隊のヘリと、エロ・グロ・ナンセンスを正しくなぞった怪作と評価できるでしょう。

 ただ、最後に関しては「アッチッチ状態な原子炉にヘリから水を掛ける」というのを実際にやっている画を平成年間に見た気がします。

 あと、ゴジラについて書き忘れていましたが、この作品でゴジラは空を飛びます。ただ、その姿はお世辞にも格好いいとは言えず、ゴジラが飛翔することはその後ありませんでした。おそらく黒歴史なのでしょう。

総評

 以上、独断と偏見で昭和ゴジラを3作ご紹介致しました。

 反響があれば、今後ガメラ、平成ゴジラとシリーズで続いていきます。