米国消費者ニュースと商業チャンネル(CNBC)7月29日報道の市場調査機関Canalysデータによると、今年第2四半期(4-6月次)、華為は初めてサムスンを追い抜き、世界最大のスマートフォンメーカーとなりました。中国「環球時報」が伝えました。
Canalysのデータによると、今年Q2に華為のスマホ出荷台数は5,580万台(前年同期比5%減)で首位、サムスンの出荷台数は5,370万台(同30%減)で第2位に。また、今四半期のグローバル市場スマホ出荷台数は前年同期比27%減でした。
前出報道によれば、市場調査機関Counterpoint Researchのデータでは、Q2の欧州スマホ市場における華為のシェアは2019年同期の22%から16%へ大幅に減少し、華為の販売台数の70%は中国大陸だったそうです。
CanalysのベテランアナリストBen Stantonは、「これは非常にすごい成績だ、一年前予想した人は非常に少ないだろう。もし新型コロナ騒動がなければ、このような結果はほぼ有り得なかった。華為は中国経済回復の機会を十分に利用し、スマホ業務の発展を加速させた。サムスンの中国での事業規模は極めて小さく、市場シェアは1%にも満たず、その中心市場はブラジル、インド、米国と欧州であり、いずれも感染爆発と封鎖措置による深刻な破壊を受けている」とコメント。
また同じくCanalysのアナリスト賈沫則は、「首位を獲得した意義は、華為にとって非常に重大だ。華為は国内消費者や部品サプライヤーと開発者に向けてブランド力をアピールしたいと切実に望んでいる。華為が今後数カ月、成功しているという情報を広めることができれば、それによって産業パートナーに(華為へ)資源を投入するよう説得できるだろう」と評価しつつも、「しかし長期的に見れば、華為がリードを保つのは厳しい。華為の欧州等、鍵になる地域での主要チャネル提携先はますます慎重になっており、既に華為の設備調達を減少させ、新たなブランドを引き入れるなどしてリスクを低下させてきている。グローバル経済が回復を始めれば、中国での実力だけに頼っては華為のリードを保つに足りない」と、長期的に見れば楽観できないと言います。
どうやら、華為はこれまで以上に「ブランド力」を必要としているようですね。中国では挙国一致で華為を応援しているように見えるものの(現に消費者は買い支えしており、それが台数シェア世界一という結果に現れていますね)、ビジネスとなれば「華為は本当に大丈夫なのか?」という話になるのも当然でしょう。
環球時報という中国共産党機関紙でも「長期的には楽観できない」とのコメントが紹介されている現状ですが、この勢いを果たして中長期的なものへ繋げていけるのか。今後も注目ですね。
あと、最後になりますが、あのサムスンを四半期とはいえ追い抜いたのは普通にメチャクチャすごいですね。