中国伝音は、三つ折りスマートフォンのコンセプトモデル「PHANTOM Ultimate G Fold Concept」を発表しました。GSMArenaが伝えています。
同社は価格や発売日を明らかにしていませんが、これはあくまでコンセプトモデルで商用化は未定。ただし、MWC 2026での展示は決定しているとのことです。
搭載するSoCについては「高性能チップセット」と表現されているものの、具体的なブランドや型番は明かされていません。
最大の特徴は9.94インチの大型内向きディスプレイ。従来の三つ折りスマホ(Huawei Mate XTなど)が外向き折りたたみで画面の一部が露出するのに対し、G Foldは完全に内向きに折りたたむ、いわば「G」の文字のように折りたたまれる設計を採用しています。これにより、折りたたみ時にはメイン画面が完全に保護される仕組みです。
また、折りたたみ時の使用のために別途カバーディスプレイも搭載。一般的なスマートフォンのような操作が可能です。TECNOによれば、展開時の折り目は最小限に抑えられているとのこと。
背面にはトリプルカメラシステムを搭載していますが、具体的な構成については詳細が明かされていません。PHANTOM Ultimate G Foldの2つのヒンジは様々な角度で固定できるタイプであるために、2つ折りスマホから進化して三脚のような使い方が可能。
バッテリー容量は5000mAhを超える容量を確保しているとのことで、この薄さを考えるとなかなか頑張った数値と言えそうです。一方、3つ折りスマホ先駆者のHuawei Mate XT Ultimateは5600mAh。とはいえ総合で1mm近く厚みが違う上、PHANTOM Ultimateのほうが画面が1枚多いので仕方なしといったところでしょうか。
驚異的な薄さも魅力的。折りたたみ時でわずか11.49mm、展開時には3.49mmを実現。これはHuawei Mate XT(展開時3.6mm)を上回る薄さで、「世界最薄の三つ折りスマートフォン」を名乗ります。
この薄さを実現するため、ヒンジには2000MPaの超高強度鋼を使用し、背面カバーには厚さわずか0.3mmのTitan Fiberを採用。カスタム設計のデュアルヒンジシステムにより、小さなウォータードロップヒンジと大きなメインヒンジで段階的に折りたたむ構造となっています。
中国伝音科技は、競争の激しい中国市場には手も付けず、アフリカ向けにローカライズを施した機種によってアフリカ市場を征服し、様々な発展途上国に展開するメーカーです。
コンセプトモデルのため価格は未定。業界関係者の予想では、実際に商用化された場合は3000ドル(約45万円)程度になるのではないかとの声もありますが、単に「Huawei Mate XTと同水準の価格帯になるんじゃね?」という意味でしょう。
圧倒的に高価で、かつ「世界初!」といった肩書を持たない二番手三番手の3つ折りスマホがどれだけ売れるのか、非常に気になるところです。