HP は CES 2021 に合わせて 2 in 1 様式のノートパソコン Elite Folio を発表しました。これは 2018 年に発売された Spectre Folio の後継機で、前作同様の本革ではありませんが背面や底、画面とキーボードの接合部分などが革製というとても珍しいノートパソコンです。
今回の目玉は外装の革でなく、採用されたチップセットにあります。前作である Spectre Folio では Intel Core シリーズを利用していましたが、今回は Qualcomm 社がノートパソコン用に開発した Snapdragon 8cx Gen 2 が使われています。
このチップセットは昨年夏に発表されたもので、常時起動や常時通信を前提としたノートパソコン向けに開発されたものです。このチップセットが採用されたことにより 5G 通信が可能となり、Wi-Fi 6 や Bluetooth 5.1 にも対応しています。性能面で比較すると、10世代 Core i5 のチップセットと比較して性能スコアが 18% 大きいと Qualcomm 社は発表しています。
搭載される CPU は Kryo 495 と呼ばれ、昨年 Apple が発表した M1 チップ同様アーキテクチャに Arm が採用されています。少しずつですが Windows にも Arm の選択肢ができつつありますね。
稼働時間について HP は 24.5 時間連続でローカルに保存してある動画を再生することができたとしています。それ以外の情報が公開されていないため Spectre Folio としっかりと比較をすることが難しいですが、公表されている情報だけで考えると連続稼働時間が5時間以上延長されています。これはチップセットに Snapdragon 8cx Gen 2 を採用したことによる恩恵とも言えるでしょう。
メモリは基盤に直付されており増設や換装は不可能で、最大 16GB まで搭載可能です。保存領域には M.2 接続の NVMe SSD が採用され、512GB まで選択することができます。左右には USB 3.2 対応の Type-C が2つとイヤホンジャックが1つあります。
画面には解像度 1920×1280、13.5 インチのタッチセンサー付き液晶パネルが使われています。前作では画面比率が 16:9 でしたが、今回は 3:2 と Windows 10 の画面分割に最適化された比率になっています。本体のサイズは幅 298.6mm、奥行き 229.6mm、厚さ 15.95mmで、重量は約1.3kgです。
価格はまだ公表されていませんが Spectre Folio がおよそ20万円ほどなので、もし日本で Elite Folio が発売される場合は同じぐらいの値段かもしれません。チップセットの変更が販売価格にどのような影響を与えるかも注目したいところです。米国では2月に発売される予定です。