SoftBankの新ブランド「LINEMO」は、物理SIM以外にeSIMも提供しているのが大きな魅力です。筆者もそこに惹かれて契約しました。
物理SIMカードには、契約者情報が書き込まれています。eSIMはこれを遠隔で書き込む仕組みのこと。iPhoneや楽天モバイルオリジナル端末、Pixel、国際版GalaxyなどがeSIMに対応しています。
筆者は既にLINEMOでeSIMを契約中。この機種から、別の機種にeSIMを挿し替えます。新しくeSIM対応の「motorola razr 5G」を購入したからです。
LINEMOのWebサイトにログインし、eSIM再発行を試みます。eSIM再発行後、メールが届き、Webサイト上にeSIM設定のQRコードが表示。これをrazr 5Gの端末上から読み込みます。
楽天モバイルやMVNOなら、単にQRコードを読み込めば切り替えが完了します。特に難しいことはありません。
しかしLINEMOでは、QRコード読み込み後も、待てど暮らせどeSIM切り替えが一向に終わりません。おそらく読み込みに失敗したのだろうか……と、eSIMを端末上から削除しました。経験上、消したところで、ネットに繋がる他の端末さえあればeSIM再発行と登録もすぐにできるからです。ところが、これが間違いでした。
どうやら正しい手順は、QRコード読み込み後に、Webから切り替え手続きの実施だったようです。まず、筆者にはこれが理解できていませんでした。なぜなら、これまで筆者は楽天モバイルやIIJのeSIMも使ってきましたが、そんな手続きはなかったからです。QRコードを読み込んだ時点で切り替えが行われていました。
というわけで、LINEMOの新機種へのeSIMの移行に失敗しました。LINEMOはeSIMを上級者向けと警告表示していますが、実際には上級者だからこそ油断してハマる穴もあるということです。
もしこれが楽天モバイルなら、WebからeSIMを再発行するだけ。楽天モバイルは24時間自動で再発行、すぐに新機種へ移行。サクッと終わります。
ところがLINEMOは、WebからeSIMの再発行手続きを行おうにも、全然発行できません。そもそも9時~21時までしかeSIM発行ができません。
では早くやってしまおうと、再発行手続き画面を開くと、「お客様のご契約・ご利用状況ではお手続きできません」とのエラー。そんな馬鹿な……。
しょうがないのでテキストチャット形式のサポートセンターに連絡。eSIM再発行を依頼しました。
ところがチャットサポートでは対応不可。「時間をあけるか、eSIM手続き窓口に連絡せよ」とのこと。電話番号は0800-170-8407。営業時間は10時~19時まで。短い……。
とはいえ混雑しているサポートに電話をして待ってはいられないと思いました。このLINEMOの電話番号はメインの電話番号であり、様々なサービスの二段階認証を設定している電話番号でもあるからです。これが使えないのは困ります。
また、今後もこういう問題はいつでも起き得ます。機種間の挿し替えはもちろん、スマホを初期化すればeSIM再発行が必要です。OSアップデートや不具合でも消えることがあります。それがLINEMO時間外の夜や早朝に起きる可能性だってあります。そういうサービス品質のeSIMサービスにメイン電話番号を置いておくのは得策ではないでしょう。24時間eSIMを自動で即時再発行してすぐ利用できる楽天モバイルが、いかにまともなのか思い知らされました。
筆者はKDDIのpovoを物理SIMで契約中ですが、eSIMはまだ試していません。このため、いつまで問題が長引くかわからない上に、再度問題が生じた時に手間取るLINEMOで消耗していてもしょうがないので、このままLINEMOでMNP転出予約番号を発行。povoのeSIMに乗り換えることにしました。(実際、同じくLINEMOでeSIM再発行が必要になったもの2日間再発行ができず使えなくなっている他の上級者もいます)
筆者はあらゆるサービスを早期に色々試したいので、ブラック等にならないよう、徹底的に短期解約を避けてきたのですが、使い物にならないサービス品質であった以上、仕方ないので、いったん転出による解約となります。もしブラックになっていなければ、サービスが改善された頃合いを見て、再度LINEMOを契約して試す予定です。LINEMO自体は若者に高速中容量低価格をもたらす素晴らしい試みであり、ぜひ品質の改善をお願いします。