AppleとEpic Gamesの戦いに審判。外部決済禁止差し止め、Epicには賠償金も。 すまほん!!

 結審から3ヶ月余り経過し、ようやく一つの区切りを迎えるようです。

 昨年夏から大きな騒動となり、争いを続けてきたAppleとEpic Gamesの裁判に関して、2021年9月10日に判決が言い渡されました。

判決の内容

 この裁判は、Epic Gamesが、同社の開発するゲームアプリ「Fortnite」の課金システムに、AppStoreの規約で禁止されていた独自決済システムの導入を行ったことにより、ストアからアプリが削除されたことを不服として、Epic GamesがAppleを訴えたもの。

 この裁判の判決で、イボンヌ・ゴンザレス・ロジャース裁判官は、Appleが、開発者によるサードパーティー製の決済システムへの誘導を禁止することはできないとし、これらを禁止する差し止め命令を下しました。判決文は以下の通り。

Apple Inc.およびその役員、代理人、使用人、従業員、およびそれらと積極的に協調または参加している者(以下、「Apple」)は、開発者がアプリケーションおよびそのメタデータに、アプリ内課金に加えて、購入メカニズムにお客様を誘導するボタン、外部リンク、またはその他の行動喚起を含めること、およびアプリケーション内のアカウント登録を通じてお客様から自発的に取得した連絡先を通じてお客様と連絡を取ることを禁止することを恒久的に抑制および禁止します。

 この差し止め命令は通常90日以内に発効する予定で、差し止め命令が有効になると、Appleは開発者に対して、Appleの提供するシステム以外の支払いオプションを許可する必要があります。そのため、Appleは支払いシステムの強制ができなくなり、開発者は独自の支払いオプションを追加することが可能になります。

 一方、Epic Gamesに対しては、独自の決済システムを導入していた期間の収益のうち30%と、2020年11月から判決日までの収入の30%などの損害賠償金を支払う判決を下しています。判決文は以下の通り。

契約違反を理由とする反訴について、アップル社に有利な条件で Epic Gamesは、2020年8月から10月の間にEpic Direct Paymentを通じてiOS上のFortniteアプリでEpic Gamesがユーザーから収集した収入1216万7719ドルの30%に加え、2020年11月1日から判決日までにEpic Gamesが収集した当該収入の30%、および法律に基づく利息に相当する金額の損害賠償を支払うものとします。

 この判決でロジャース裁判官は、「Epic Gamesの提出した証拠等からは、Appleが独占禁止法に違反していると結論づけることはできない」とした上で、Epic Gamesが独自決済システムをFortniteに導入した当時のAppStore規約に違反していたことを認め、賠償金の支払いを命じています。

 両者の声明

 この判決に関し、Appleは、9to5Macに対して以下のようにコメントし、実質的な勝利としてこれまでのAppStoreの正当性を示しています。

本日、裁判所は、App Storeが独占禁止法に違反していないという、我々がずっと知っていたことを確認しました。裁判所が認めたように『成功は違法ではない』のです。Appleは、事業を展開するすべての分野で厳しい競争に直面していますが、当社の製品とサービスが世界で最も優れているからこそ、お客様や開発者が当社を選んでくださると信じています。当社は、App Storeが安全で信頼できる市場であり、繁栄する開発者コミュニティと210万人以上の米国の雇用を支え、ルールが誰にでも平等に適用されるよう、引き続き尽力します。

 一方のEpic Games側は、この判決に不服を示しており、CEOのティム・スウィニー氏は、この判決は消費者にとっても開発者にとっても勝利ではないとした上で、「Epicは、10億人の消費者のために、アプリ内決済方法やアプリストア間の公正な競争のために戦っている。」と述べ、控訴する姿勢を示しました。

iOS版「Fortnite」の行方は?

 ロジャース裁判官は、判決の中で、AppleがEpic Gamesの規約違反を理由に開発者アカウントを停止したことに関して、合法であったとした上で、FortniteがAppStoreに戻ってくるかどうかは、Appleの判断次第であると結論付けています。

まとめ

 Appleは、日本を含む各国から、独占禁止法違反などの疑いで捜査を受けており、今回Appleに対して課された「サードパーティー製の支払い方法の容認」もAppleを追い込む一つの要素となりそうです。FortniteがAppStoreに戻ってくる未来は遠いものかもしれませんが、いつでもユーザーを第一に考えて欲しいものですね。