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「メタバース」から「喫茶店の電話」までを手広くカバーする。音漏れ防止付きマイク「mutalk」がマジ画期的すぎる

 異形のマスク!実は優秀。

 株式会社Shiftallを取材、開発中の新製品「mutalk(ミュートーク)」についてテストしました。

 見た目のインパクトばかり凄すぎて何が何だかわからない読者も多いかと思いますが、本機は「メタバース対応音漏れ防止機能付きマイク」です。後述しますがメタバース以外の仕事、日常的な利用シーンでも役立ちそうなすごいヤツです。

 マイクを内蔵し、音響工学に基づいた構造により、話している内容の音漏れを防ぎます

製品名、読みは「ミュートーク」。ミュートを想起させてわかりやすい

無線接続してパソコンからマイクとして認識する。Bluetooth v4.2 BR/EDR (HSP、HFP1.7)

Quest2コントローラー(左)

製品版に近い世代(左)、より試作品に近い世代(右)。Shiftallでは5世代以上の試作を経ることが多いという

 たとえばOculus Quest 2は重たい上に前方に重心が寄っているので、装着時にバランスの悪さを感じます。ベルトの締め付けが弱ければずり下がったりしますし、強く締めれば圧迫感も感じるでしょう。

 これはmutalkも同じで、旧世代の試作機は大きかったので、その人の顔によってはズレ下がることもあったといいます。より製品版に近い新しい世代の試作機では小型化することで装着感を改善。

代を重ねて小型化。

装着感等向上。なおバンド部分はまだまだ仮の試作。製品化に向けて今後はさらに遮音性を向上させる予定とのこと

 この小型化により、Meta Quest 2下部カメラによるハンドトラッキングを阻害しにくいといった恩恵もあるのだといいます。

 厳ついビジュアルから相当な圧迫感を覚悟していましたが、本体が軽いことや前方への長さが短くなっているのもあって、想像したほどではありませんでした。わずかに息苦しさは感じるものの全然平気。長時間装着時にどう感じるか、製品版で使い込んでみたいところ。

 さて、実際に筆者が装着して使ってみた第一印象としては「あれ?本当に消えてる?」。自分の声が変になって少し減音はするのですが、依然として聞こえるので、周囲に聞こえているのか聞こえてないのかはわからない。ちょっと不安になります。

 それもそのはず。人間の声は通常、空気を伝わって耳に届くからです。しかし自分自身の声は、空気を伝わって届く声だけではなく、頭蓋骨の振動で届く声も加えた2種類です。このため、空気で伝わることを防ぐmutalkを使った時に、自分の声が変になりながらも聞こえ続けるのは至極あたりまえというわけです。

 そこでShiftall社員の方に装着してもらい、喋ってもらいました。見事にほぼ聞こえません。少し近付いて注意深く耳をすませば、かすかに言ってる内容が聞こえるといったところ。

Quest 2と組み合わせてmutalkを使う様子。画期的な実力派デバイスで装着者も真面目だがビジュアルは笑える。大声で喋っても小声になる

 なお「完全無音」ではないことは、利用シーンを考えれば大きな問題ではありません。夜間、壁の薄い部屋や賃貸物件でも周囲に迷惑をかけずにメタバース上で会話するというのが主な想定用途。確かにメタバース民にとって深夜酒を飲み交わして大きめの声で雑談……というのはポピュラーなシーンなのでこれはマストアイテムになりそう。

 おそらく音楽を少し流してしまえばわからないのではないでしょうか。壁一枚越しでは全く聞こえません。賃貸アパートなんて壁薄いですからね。美少女アバターで可愛い声を出したいが同居家族に配慮したい諸兄にも需要がありそうです。

 あえて言うならば、口元を大きく動かすような状況には若干の違和感を覚えるかもしれません。たとえば大声を出す状況では口を大きく広げ、女声など可愛い声を出す状況では口元を横に広げるなど、口の動きが発声に関与するからです。

 密閉が遮音性に大きく貢献しているので、むしろ過剰性能である完全無音を目指したがゆえに圧迫感や息苦しさが増し、喋りやすさに大きな悪影響を与えてしまう……なんてことがあっては本末転倒になりかねないとも言えます。やはり、そこのバランス感もよく考えて開発を進めているそうです。

 「確かにすごいが、そうは言ってもメタバースなんてやらないしな」という読者の皆さんにおすすめの用途が遠隔勤務などビジネス用途。Bluetooth無線マイクとして認識するのだから、ZoomだろうがDiscordだろうが使えるというわけです。

 ということは自宅で遠隔で会議中、本機を装着すれば家族に聞こえないよう配慮して通話できるというわけです。家族が寛いでるのに仕事の状況を聞かせてもしょうがないですからね。多人数の会議では自分の発言回数はほとんど無い、という場合には、自分の発言時だけさっと口元に本機をあてるということも可能。

 喫茶店など自宅以外での通話にも重宝しそうです。外でベラベラ仕事の話をするのは迷惑というだけでなくセキュリティ上の問題がありますからね。

 口元と外の音を遮断する高い密閉性のもう一つの巨大な恩恵。それは、逆に周囲の音をマイクが拾うこともほぼ無いということ。

 つまり周囲で家族が喋ってようが、屋外、喫茶店で周りがうるさかろうが、そうした「周囲の音を」ほとんど遮断して、通話相手に自分の声を伝えられる。画期的な通話ノイズキャンセリング。これ最高ですね……。

屋外での通話、遠隔会議のセキュリティも期待できる。Shiftallはメタバース以外にも法人向け用途の需要も見込む。ボタンは電源ボタン。左の穴が3.5mmイヤホンジャック、右の穴がUSB Type-C端子

PCなら別個の「無線マイク」「無線イヤホン」デバイスを同時利用することが可能だが、これはスマホではできない。スマホで使う場合は必然的に有線イヤホンをmutalkに接続して使うことになると思われる。対応OSはWindows / MacOS / iOS / iPadOS / Android

 個人的には対人ゲームでヒートアップしがちなゲーマーにも良いと思います。夜中、あったまって大きな声出したら家族に迷惑ですからね。ほかにも賃貸物件に住むVTuberや配信者なんかにもうってつけでしょう。

 連続動作時間は10時間。これはメタバースに長時間ログインすることを想定してだといいます。筆者も愛用するValve Indexコントローラーが6時間、Vive Tracker 3.0が7時間程度なのでさらに余裕があって安心だなと感じます。仕事に使い、夜はメタバースに使うといったヘビーユーザーにも対応できそうです。

2022年9月3日16時23分追記:量産版は連続動作時間8時間となっています。(発表記事

 販売価格は2万円前後を見込みます。メタバースや当たり前になりつつある遠隔勤務のマストアイテム候補。製品版の発売が待ち遠しいところです。

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