MediaTekは、スマホ向けフラッグシップSoCの「Dimensity 9200」を発表しました。型番も性能も大きく飛躍した現行のDimensity 9000のインパクトには及ばないものの、細かいところで着実にスペックアップを施しています。
Dimensity 9200はTSMC 4nm(N4P)プロセスを採用。CPUは最大3.05GHzのCortex-X3×1、同2.85GHzのCortex-A715×3、1.8GHzのCortex-A510×4という構成。スマホ向けSoCとして、Cortex-X3などを搭載するのはDimensity 9200が初。
一方、Cortex-X3およびCortex-A715は32bitサポートを切り捨てているため、必然的にDimensity 9200を搭載した端末は、Pixel 7シリーズと同様に64bitアプリケーションのみの対応となります。
GPUは今年発表のImmortalis-G715を採用。先代に比べ処理性能と電力効率を15%ずつ改善しているとしており、競合に比べて見劣りしていたグラフィック性能の向上が期待できます。ディスプレイの最大リフレッシュレートはFHD+で240Hz、WQHDで144Hz、5Kで60Hz。黒挿入に依らない240Hz駆動のスマホ、ある意味見てみたいです。
また、最大3億2000万画素のカメラセンサーに対応。8K(7690×4320)30fps撮影や4K60fps撮影もサポートしています。ストレージ128GBも厳しくなる時代が到来しそうです。
通信関連では、Wi-Fi 7にこれまたスマホ向けSoCとしては初めて対応。Wi-Fi 7は2.4GHz/5GHz/6GHzの帯域をすべて利用し、最大46Gbpsという圧倒的な通信速度を謳いますが、対応ルーター等の登場は2024年以降とされており、現時点では無用の長物。
一方で、旗艦Dimensityとしてはじめて5Gのミリ波(mmWave)に対応します。なお、Dimensityシリーズとして始めてミリ波に対応したのは今年5月発表のDimensity 1050。
Dimensity 9200を搭載したスマートフォンは、最初の製品が2022年末までに登場予定であるとのこと。21年12月に発表、今年第一四半期に搭載スマホが発表されたDimensity 9000と異なり、非常にスピーディー。
先代のDimensity 9000はASUSやOPPOなど、これまでSnapdragon一辺倒だったメーカーも旗艦端末に搭載しており、先代より確実に存在感を増した製品となりましたが、Dimensity 9200がどういった評価を得られるか注目したいところです。