Android搭載スマートフォンが圧倒的なシェアを誇るインドにおいて、2023年4月以降に販売される端末で大きな変更が行われる可能性があります。
リーカーのKuba Wojciechowski氏が公開した情報によると、Googleは、インド国内でGMS(Google Mobile Service)搭載Android端末を販売するメーカーに対し、今後2つの選択肢を用意するとのこと。
通常、GMS搭載端末を販売するメーカーとGoogleの間では、MADA(Mobile Application Distribution Agreement)と呼ばれる合意が交わされています。この契約には、YouTubeやPhotos、Drive、Gmailといった、最低11個のGoogleアプリを端末にプリインストールするという規約が含まれており、現在ほとんどのAndroid端末がこの規約に準拠しています。
一方、インドでは今後新たに、インド国内専用の「IMADA」契約が用意される模様。「IMADA」では、Google Playストア以外のGoogle製アプリのプリインストールは義務付けられません。もちろん、メーカーが独自のアプリをプリインストールすることは可能であるほか、通常のMADAで要求される11のGoogleアプリのうちいずれかをプリインストールしたメーカーには、報奨金が支払われるとのこと。
また、IMADA準拠端末では、ホーム画面にGoogleの検索ウィジェットやGoogleアプリフォルダ、Google Playストアアイコンを配置することも任意であるほか、セットアップ中にデフォルトの検索エンジンを選択できるようになるともされています。
メーカーは、MADAもしくはIMADAどちらを選択するか端末ごとに決定できます。なお、IMADA準拠の端末は、インド国内のみでの販売に制限され、それ以外の国で端末販売するには、通常のMADAを締結する必要があるようです。
If they decide to use IMADA, however, they can only release the specific device variant in India. If they go for MADA instead, they can release the same exact device (with identical software) to most of the world. pic.twitter.com/BNIF6lJeXQ
— Kuba Wojciechowski 🌺 (@Za_Raczke) February 18, 2023
このIMADAが用意される背景には、インド国内での独占禁止法に関する捜査が影響していると考えられます。
Googleは、2023年1月に、インド競争委員会(CCI)から独占禁止法違反の疑いで捜査を受け、GMSを含むAndroidの提供方法を変更するよう命じられました。この命令には、プリインストールアプリやデフォルト検索エンジンの強制といった、メーカーおよびユーザーに対する独占状態を緩和するための内容が含まれており、今回リークされた情報はこれらの条件をほぼ反映しています。
先述の通り、IMADAはインド国内でのみ効力を発揮します。ただし、日本を含む世界各国で、GoogleやAppleに対して独占禁止法をめぐる捜査が行われていることを考えると、少なからず他国市場へも影響を及ぼし、同様の変更が必要となる可能性があります。