英拠点のNothing社は、新製品「Nothing Ear (2)」を発表しました。価格は2万2800円。発売日は3月23日以降。
同社は日本の報道関係者向けに新製品「Nothing Ear (2)」のプレブリーフィングと称する説明会を開催しました。遠隔でHead of Marketing & Co-founderであるAkis Evangelidis氏が登壇しました。
これまでの製品の振り返りとして、まず2022年夏に発売したNothing Ear (1)。飽和した市場の中では画期的製品で、60万台販売済みとのこと。
新しい製品への物欲が残っている、クリエイティブのコミュニティに強い関心を持ってもらった、だからこそ日本市場拡大に決意したといいます。
そしてNothing Phone (1)を2022年夏にローンチ。革新的デザイン、機能面も充実した機種。これまでに65万台以上販売したほか、世界で合わせて30ほどの賞を獲得するなど評価を得たとのこと。
昨年末に出したNothing Ear (stick)。快適さを重視、従来品に満足できない人向けのイヤホン。内部機構はカスタムドライバーを入れてよりプレミアムなサウンド品質に。
初のリテールとして英ロンドンに実店舗に出店。他の優先市場でも店舗拡大を目指していきたいとのこと。
そして今回発表のNothing ear (2)は、新段階に突入したことを示す重要な製品だといいます。というのも、Nothing ear (1)の頃はエンジニア30人だったのが、170人以上に増え、会社が発展してきたとのこと。ear (1)で学んだことを盛り込んでよりプレミアムな製品に仕上げたと自信を見せました。
デザインでブレークスルーし、多くの人に愛されたear (1)からビジュアルエレメンツは踏襲しつつ、より洗練。利用者からの声を受けてさらに小型化。
ear (1)は4つのパーツから構成していたのを、ear (2)は3つのパーツで構成、質量的には30%削減を図ったとのこと。この合理化の結果としてIP54耐水にも対応しました。ケースはIP55。
新たにデュアルチャンバーデザインに。ハードウェア、ドライバーを人に合わせて最適化調整するイタレーションを27回繰り返したとのこと。耳の中により空気を取り込んで円滑な空気の流れで音質を高めているとのこと。
カスタムドライバーの磁石はN45からN52に変更しプレミアムに。カスタムダイヤフラムの素材はポリウレタンと、明瞭さのためグラフェンに。
Nothing Xアプリによって各種制御が可能。周囲の騒音の度合いによって騒音除去の強弱を自動的にも調整できるため、手間がなく、適切な場面で騒音除去を弱めることで省電力にも貢献するとしています。
プレミアムなチップセットを搭載、さらにアルゴリズムとメモリも強化しており、音楽再生や通話においても改善しているといいます。ノイズと音声の組み合わせのテストは、Ear (1)の時は100万通りだったのに対し、Ear (2)では2000万通りに増やして強化。イタレーションを繰り返すことで1000時間の入念なテストをしたといいます。
Ear (2)はBluetooth 5.3対応、ハイレゾ再生にも対応します。Ear (1)では真ん中だったアンテナ位置を、Ear (2)では外の上側にずらすことで、体が信号を邪魔しにくく、接続性を50%改善したといいます。
柄の部分にプレスコントロールを実装、簡単な操作はいちいちスマホを取り出す必要なし。誤動作を防止するためタッチセンサーではなくプレスに。精緻に反応するといいます。
デュアル接続に対応、音楽だろうが通話だろうが端末二台接続でも交互に切り替えが可能に。
今回電池持ちが改良。ケース付きで36時間(先代33時間)、単体でノイキャンなしで6時間(先代は5時間)、ノイキャンありだと4時間超だといいます。
日本市場はAppleが支配的だったにも関わらず手応えを感じているといいます。Nothing Phone (1)は買い替え前のプラットフォームが半分はiOSという、他の市場にはない高い比率であったとのこと。
2023年はさらに日本市場へ注力。現地人材を積極採用しつつ、既存提携先も長期提携へと強化。これにあわせて実地販路も拡充していきたいと意気込みます。
なおAkis Evangelidis氏自身も日本のブランド「サカイ(sacai)」を好むなど、デザイン・ファッションで先導的な日本のファンだといいます。デザインイノベーションを前面に打ち出すNothingが日本市場にうまく合致する感触を得ているとのこと。今後の日本での展開に期待したいところです。