総務省が「競争ルールの検証に関するWG」の議論を踏まえた規定整備を議論しています。
回線セット割引額の上限については、原則4万円に。端末価格4万円から8万円までは価格の50%、4万円以下は2万円となる運び。
このほかに進んでいるのが、そもそもの値引き規制の対象事業者。これまでは100万契約相当以上のMVNOも対象となっていましたが、これを変更。MVNOの指定対象範囲を4%(約500万人相当)とする方向で引き続き検討が続いています。
なおMNOの特定関係法人であるMVNOは、潜脱の防止の必要性から今後も規制対象に。
もし今回の検討案が正式化された場合、MNOに対抗するIIJやmineoなどの大手MVNOが、新規やMNPなどの顧客誘引策に、より大きな金額の値引きを行うことが可能となります。
今回の指定対象事業者見直しの背景には、端末分離の法改正と省令導入後、MVNOの競争力が低下していることを踏まえたもの。大手キャリアが有利になる政策であることはわかりきっていたことであり、遅きに失した感があります。
そこで新規プレイヤー・MVNOにとって顧客誘引の大きな武器とならざるを得ないのが端末の値引きである。大手3社は資金力や多事業展開、宣伝によっていくらでも手を打てるが、そうではないプレイヤーまで過剰な値引き規制を平等に当てはめることは、単に顧客流動性が低下し競争が鈍化するだけではないか。
値引き規制を見直す、楽天モバイルや100万人以上のMVNOを規制対象から除外する、といった検討を重ねて然るべきだ。
値引き上限2万円の省令案について考えた(2019/06/27)