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「Zenfone 11 Ultra」発表!2500nit/144Hz駆動、各種AI機能や「鳥取砂丘」カラーも

 ASUSは3月14日、6.78型ディスプレイを採用したハイエンドスマートフォン「Zenfone 11 Ultra」を発表しました。

 ここ3年のZenfoneといえば、現代のアンドロイドスマホではかなり小型な部類に入ってしまう5.9インチ程度のディスプレイを備えているのが特徴的ですが、今回のZenfone 11 Ultraは、スペック上はゲーミングスマホの「ROG Phone 8」とかなり近く、兄弟機とも呼べるものになっています。

パフォーマンス

 Zenfone 11 UltraはSoCにSnapdragon 8 Gen 3を採用。現時点で最高峰の処理性能を持つAndroid向けのチップです。

 メモリとストレージの組み合わせは12GB/256GBと16GB/512GBの2通りが提供される模様。最大24GBメモリと1TBストレージを組み合わせるROG Phone 8 Proと比較すると、かなり控えめではありますが十分でしょう。

ディスプレイ

 ディスプレイは6.78インチの有機EL。1~120Hzの動的リフレッシュレートに対応するほか、ゲーム時のみ最大144Hz駆動に対応しています。ここは最大165Hzに対応するROG Phone 8と差別化されていますが、まあ165Hzが144Hzに抑えられたからといって何かあるわけではないでしょう。

 また、ディスプレイの強化ガラスは最新世代のGorilla Glass Victus 2。225gと重たい本体をしっかり保護してくれます。画面の最大輝度は2500nitsとかなり明るく、屋外でも日光により見えづらいということは起きないでしょう。

カメラ

 カメラはROG Phone 8と変わらず、メイン5000万画素+望遠(3200万画素)+超広角(1300万画素)という構成。うち望遠レンズにはOIS(光学式手振れ補正)を採用、さらにメインカメラには6軸のHybrid Gimbal Stabilizer 3.0にて、より強力に手振れを抑えます。

 インカメラはパンチホール式の3200万画素。ROG Phone 7シリーズ以前であればXperiaシリーズのようにベゼル内に収める形式でしたが、今回ベースを同じにするためかどこにでもあるパンチホール式を採用してきました。

ハードウェア

 バッテリーは5500mAhと、同サイズのスマートフォンの中では頭一つ抜けて大きめ。65Wの有線充電に対応し、39分で満充電ができるとアピールします。

 また、15Wのワイヤレス充電にも対応します。

 もちろんステレオスピーカーを搭載するほか、今となっては珍しい、3.5mmイヤホンジャックを搭載。ZenFone 8のころからずっとそうではありますが、イヤホンジャックの搭載は特にハイエンドスマホになればなるほど見かけなくなるので、ここは日本勢と並んで大きなメリットといえますね。

AI機能

 Zenfone 11 UltraはAI機能に力を入れたデバイスだと紹介されており、カメラ関連以外ではサイトに確認できるだけで5つの新機能が登場しています。簡単に紹介します。

 「Semantic Search」は筆者が最も感嘆した機能で、ローカルストレージ上の画像を検索できるもの。Google Photoで「犬」とか入れれば同じようなことができますが、それを完全にローカルで行えてしまうということでしょう。これはSoCのAI性能向上による使途としてよいのではないでしょうか、無駄機能でもありませんし。

 「AI Call Translator」もなかなか良く、デバイスのユーザーと通話相手の言語が違う際に、相手の音声を自動でテキスト化し、翻訳してから音声にするというもの。ベータ版とのことで、翻訳精度が気になりますね。

 それ以外はどこかで見たような機能ばかりで、「AI Wallpaper」は名前の通り壁紙の自動生成、「AI Transcript」はボイスレコーダーの文字起こしでいずれもGoogleなどが実現済み。「AI Noise Cancellation」に至っては通話中のノイズ抑制機能であり、これまでであればわざわざAIと表記しなかったもの。AIブームにのっかっているだけにも見えますね。

デザイン

 本体はROG Phone 8/8 Proとベースが同じであるということで、これまでのコンパクトな印象はなくなり、ずっしりとした重さを感じさせる印象になっています。

 Zenfone 8や9では本体に様々な刻印がされていましたが、Zenfone 11 Ultraは「ASUS Zenfone」と、ASUSの新たなコーポレートロゴを模したラインが引かれているのみと、Zenfone 10に続いてシンプルにまとまっています。しかしそれでも野暮ったさを覚えるのは、やはりカメラデザインのせいでしょうか……。

Zenfone 10。かなりシンプルなデザインに、マットな質感が特徴的。

 本体色は世界各地の景色から着想を得たものとなっており、各色には元となった場所が存在しています。Skyline Blueはスウェーデンのストックホルムの空から、Eternal Blackはアイスランドの極夜(北極圏/南極圏で起こる、1日中太陽が昇らない日)、Misty Greyはサンフランシスコの霧から、そしてDesert Sandは鳥取砂丘から見る夕日の色合いに着想を得たとのこと。

総評

 Zenfone 11 Ultraは既にアメリカや香港などで販売を開始しており、ヨーロッパでの12/256GBモデルの販売価格は999ユーロ(約16万円)、16/512GBモデルの価格は1099ユーロ(約18万円弱)となっています。円安やVATの影響もありますが、やはり高価ですね。

 名称にあるUltraは、このモデルがあくまで大画面モデルであり正当後継のコンパクトスマホが控えているという可能性を示唆するものですが、「OnePlus 10 Pro」のように、Proモデルが発表されていながら、命名上では無印モデルに相当するものが登場しなかった、という例は存在します。

 OnePlusは当時母体のOPPOともども経営の安定化を理由とした統合を進めており、若干の不安を醸し出していましたが、ASUSも最近スマートフォン部門における後ろ暗いウワサが流れたこともあり、筆者としてはコンパクトでZenfone 10の後継となるモデルが、少なくとも今年中に登場するのかは少し怪しいようにも感じてしまいます。

スペック表

OS Android 14
SoC Snapdragon 8 Gen 3 
メモリ 12/16GB
容量 256/512GB
画面 6.78型 FHD+ (2400×1080)
カメラ 5000万画素+3200万画素望遠+1300万画素超広角
インカメラ 3200万画素
電池 5500mAh
65W急速充電、15Wワイヤレス充電
寸法 163.8×76.8×8.9 mm,225g
その他 3.5mmイヤホンジャック、Wi-Fi 7 
情報元ASUS
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