いわゆる「グーグル分割」の話題に続報です。
米司法省は11月21日、Googleに対してWebブラウザ「Chrome」の売却を求める提案を行ったとNBC NEWSが報じました。
これは8月の検索市場独占の判決を受けた措置で、検索エンジン市場の競争環境を改善することを目的としています。
同省の文書によると、2008年に公開されたChromeブラウザは、Googleが広告ターゲティングに利用するデータを収集する重要な経路となっているとのこと。Chromeの分離によって、競合する検索エンジンに公平な機会を提供できるとしています。
さらに司法省は、GoogleがAndroid OSの売却強制も効果的とするも、売却はGoogleや他社から重大な異議を申し立てられる可能性があるとし、まずは他の措置で対応。それらが十分な効果をあげられない場合には、Android分離も可能性も残されているそうです。
また米司法省は、GoogleがAppleやSamsungなどとの独占的な契約を結ぶことを禁止するよう提案。さらに、同社の他の製品内で自社の検索サービスを優遇することも制限するべきだと主張しています。
提案された対策は10年間継続され、Googleは技術委員会に対して検索広告のオークションに関する変更を毎月報告する必要があるとのこと。Googleの親会社Alphabet社の第3四半期における検索広告収入は494億ドルで、広告収入全体の4分の3を占めています。
今回の要請は、2001年にMicrosoftと和解に至った反トラスト法違反訴訟以来、最も強力な企業分割の試みとなります。Googleは8月の独占判決について控訴する方針を示しており、最終的な是正措置の決定までには時間がかかる見通しです。なおNBCによれば、AppleやSamsungとの独占的契約の解消を求められる可能性が高いものの、企業分割までは至らない可能性が高いのではないかとも指摘しています。
以上、NBC報道でした。トランプ新政権という不確定要因もあることから、引き続き、注意深く続報を見ていく必要がありそうです。