
開けたら別のCPUが入ってた。
中国のPCメーカーChuwiが販売するノートPC「CoreBook X」で、CPUの偽装が発覚しました。

NotebookCheckが2025年9月にレビューした「Ryzen 5 7430U」搭載モデルを後日分解したところ、実際に載っていたのは旧世代の「AMD Ryzen 5 5500U」だったと伝えています。レビュー当時の価格は約395ドルでした。
厄介なのは、BIOSやWindows上の表示、CPU-Zといった確認ツールでも「Ryzen 5 7430U」と出てしまう点です。CNX Softwareによると、BIOS自体が書き換えられていたため、OS上の各種ユーティリティでも7430Uとして認識されていたといいます。
ただしNotebookCheckは、振り返ればL3キャッシュの値に不自然さがあったと説明しており、ソフトウェア上の手掛かりがまったくなかったわけではないようです。とはいえ一般的なユーザーが気づくのは相当難しかったでしょう。
発覚のきっかけは、chinamobilemag.deからの情報提供でした。NotebookCheckが実機を分解し、CPUクーラーを外してチップの刻印を直接確認。すると、刻印されていたOPNは「100-000000375」で、AMDの公式仕様ではRyzen 5 5500Uの製品IDと一致するものです。
OPNとは「Ordering Part Number」の略で、AMDがCPUごとに割り振っている識別番号で、ざっくり言うと、チップに刻まれた「本名」のようなもの。ソフトウェア上の表示はBIOSで変えられてしまいますが、物理的に刻印されたOPNまではごまかせないため、今回の分解で正体が判明しました。
Ryzen 5 7430UとRyzen 5 5500Uはどちらも6コア12スレッドですが、同じCPUではありません。7430UはZen 3アーキテクチャの「Barcelo R」、5500UはZen 2アーキテクチャの「Lucienne」です。AMD公式仕様によれば、7430Uは最大4.3GHz・L3キャッシュ16MB、5500Uは最大4.0GHz・L3キャッシュ8MBと、世代もスペックも異なります。
性能差も無視しにくいものがあります。NotebookCheckの比較データでは、Cinebench R15シングルコア平均が7430Uで206点、5500Uで176点。Geekbench 6.5のシングルコア平均も7430Uが1723点に対し5500Uは1517点でした。マルチコアでは差が縮まる項目もありますが、CoreBook Xの実機はシングルチャネルメモリの影響も加わり、NotebookCheckの総合CPU評価で74ptにとどまっています。平均的な7430U搭載機の82.1ptを下回る数値です。
ChuwiはNotebookCheckへの回答で問題を明確には認めず、生産バッチや流通中の在庫に言及しつつ、社内調査を開始したと説明しています。
CNX Softwareは別機種「CoreBook Air Plus 16」でも同様の確認を実施しており、こちらはOPN「100-000000546」がAMD Ryzen 5 6600Hと一致、広告どおりだったと報告しています。
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今回の件は、単なる商品ページの記載ミスでは片づけにくい話です。ファームウェアの表示まで実チップと食い違っていた以上、消費者がスペック表をうのみにしにくくなるのも当然でしょう。Chuwiには調査結果と再発防止策をはっきり示すことが求められます。



















