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「CHUWI MiniBook X」レビュー。詰めは甘いがサブノートなら

 ジェネリックOneMix!?

 中国PCメーカーCHUWIより、「CHUWI MiniBook X」を提供していただいたのでレビューします。

 なおCHUWI MiniBook Xは当初、左上にパンチホールが存在する謎モデルでしたが、マイナーチェンジでパンチホールが廃止されています。

旧モデル。ベゼルは狭いが、左上にパンチホールが配置されている。OS側が非対応なのもあって当然、作業の邪魔

今回レビューの新モデル。ベゼルは太くなったものの、上部ベゼル内にインカメラを収めている

 最近はUMPCも各社大型化し、10型に迫るモデルを出していますが、その代表格がOne-Netbook社のUMPC「OneMix」シリーズ。OneMix 4では10.1型画面のコンパクトノートPCとなりました。

 このサイズには賛否両論あるのですが、「UMPCでは小さすぎる、でもノートPCほど大きい」という人もいるはず。

10.1型で高性能なOneMix4は価格約13万円からで国内販売された

 そんな10型のモデルでOneMix 4に近いフォームファクタ。OneMix 4は価格が約13万円と高額だったのですが、なんとCHUWI MiniBook Xの実勢価格は約5万円というびっくり仰天の安さ!コレで良いじゃん!

 というわけで、そんなCHUWI MiniBook Xはどういう機種で、どんなところを妥協すれば使えるのか?見ていきます。

 サイズは幅244mm、高さ166.4mm、厚さ17.2mm。他の機種と比べるとこんな感じ。普通のノートPCよりひと回り小さく、8型のGPD Pocket 3と比べると大きいです。

一番上に載っている端末から iPhone 14 Pro, GPD Pocket3, CHUWI MiniBook X, MacBook Air M1

 重量は公称899g、実計測932g。10型とすると重ためですね。

 電池容量は26.6Whと少なめ。電池持続時間は短いと思います。45W PD急速充電にも対応するので、充電器の携行は必須かも。

 CPUはCeleron N5100です。もうセレロンと聞くだけで蕁麻疹が出る人も多いと思いますが、モバイルで普通の作業をする程度なら使えるぐらいには、最近のセレロンは性能が上がってきています。実行メモリはLPDDR4X 12GB、ストレージも512GB SSDで申し分ないです。

 OneMixなどのUMPC~小型PCカテゴリでは、ゲームもプレイできる高性能っぷりを誇りますし、実際、以下の通り、性能はゲームも難しいほど低いです。しかし「そういう性能いらねえから、安くならねえかなぁ!」と思っている人が検討する機種なので、そこら辺は問題ないでしょう。

  CHUWI MiniBook X
Celeron N5100
ONEXPLAYER2
Ryzen 7 6800U
AYANEO Air
PRO ADVANCE
Ryzen 7 5825U
AYANEO Air
STANDARD
Ryzen 5 5560U
3DMark TimeSpy 346 2699 1181 952
3DMark Wildlife 2390 14956 6142 4829
PCMark10 2371 5219 5007 4757
Cinebench R23
マルチコア
1854 10948 未計測 未計測
ドラクエX
最高/全画面/FHD
3272 9582 8259 5876
FF XV ver1.3
標準/全画面/FHD
544
動作困難
3531
普通
未計測 1283
動作困難

 OSはWindows 11、解像度は1920×1200ピクセル。スケール150%程度で運用していますが特に問題はありません。普通に作業できます。

 さて、肝心のキーボード。UMPC系は重要なキーを削っていたり癖がありすぎますが、本機は意外にも使い物になります。ファンクションキー(F1~F12)も普通にあるしね。キーピッチもキーストロークも十分確保されていて、打鍵感もこの手の端末の中では良好です。使ってると、右にもCtrlキーがあればなぁとか思うところもありますけどね。

 キーバックライトは明るめ・暗め・切ると選べます。眩しすぎないよう配慮できるのは良いですね。

 ごくまれに閉じた状態から画面を開いた時にキーが反応しなくなる不具合がありますが、また閉じて、再度開くと反応するようです。

 側面部。ちなみに電源ボタンはただの電源ボタンです。指紋認証センサーを本機は搭載していません、お気づきでしたか?インターフェイスは乏しい感じですが、後述するようにサブノートと割り切れば特に問題ないでしょう。

 フォームファクタは強力なヒンジ部により、Yogaっぽく様々な状態で使えます。タッチパネルなので画面だけこっち向いてれば操作できます。視野角も広めですし動画視聴に良さそう、変幻自在そうに見えます。

 Gセンサーも入っているので自動回転もしてくれます。360度開いてタブレット状態でも活用できますよ。IPS液晶なのでタブレット向きですね。画面は光沢。色温度は低めでわずかに緑っぽい気もしますが価格帯を考えればどうでもいいです。

 タブレットとしての使用中、つい指が裏側のキーを押してしまいますが、キャンセル処理が働くので、キー入力されて誤作動することはありません。トラックパッドは無効にならないみたいなので注意ですかね。

 なおこの状態では設計が甘いのかしっかり閉まりません。ちょっと浮きます。CHUWI MiniBookもこんな感じだったので、これで良いと考えているのかもしれません。安いんだし、多少のことは気にするな!

 さらにテント状態で音楽や動画を再生しても、別にスピーカーは連動しないようで、L/Rが逆になってしまうのが注意点でしょうか。作業用BGMを再生しておく程度なら問題ないでしょうが、本格的に腰を据えて動画を視聴するなら、やめておいたほうがいいですね。変幻自在……には一歩及ばずかもしれません。

 スピーカーは低域の力不足感や、高音域の音割れ感など全域安っぽいですが、このサイズの廉価製品として考えれば十分な実力に思えます。ほとんどの用途には適しませんが、緩めの音になるのでジャズや昭和歌謡など、レトロな楽曲の再生になら案外合いますよ、むしろ蓄音機で聴いてるみたいでおしゃれ。真空管アンプいらずのすごいヤツかもしれません。

 この価格を実現するには何を削ったのか?この辺りのサイズと製品というのは、本来メインノートではなく、サブノートの領域。あまりお金をかけるべきところではありません。ユーザーとしては、そもそも妥協してくれていいから価格を下げて欲しいというジャンルだからこそ、本機はむしろ清々しいと感じます。

 「デスクトップやメインノートに全盛りして、たまに使うサブノートは財布に優しいお手頃価格で」「OneMixが欲しいが高すぎる」。そんな人にちょうどいい機種なのだと思います。

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