発熱問題について、KDDIから公式の回答が得られたようだ。
KDDIによると、ISW11F本体の温度が上昇しやすいのは「デュアルコアCPUを備えていることに加え、本体が薄く、防水性能を備えているので熱が逃げにくいこと」が影響しているという。「(発熱時に充電や一部機能を停止する旨の)注意書きを同梱したのは、お客様に注意喚起をするため」。温度が上昇しやすい「仕様」であるため、ソフトウェアアップデートなどで改善されることもないとのこと。
やはり本体の薄さ、高速通信などのモジュール、本体設計など根本的な問題のようで、ソフトウェアアップデートによる改善はできないとのことであった。
記者もWiMAXテザリング中に発熱と機能停止が起きていること、docomo版のARROWS Xでは発生しないこと、WiMAXをオフにして利用している当サイトの寄稿者に発熱問題が起きていないことから、やはり原因がWiMAXにあることは間違いない。
同じくWiMAX対応の京セラのDIGNOはあえてデュアルコアを採用せず、枯れたシングルコアのMSM8655を積むことによって熱問題を克服している。
では、どうしたら発熱による機能停止を回避できるのだろうか?
そのひとつの答えが、WIN HIGH SPEED(以下WHS)にある。
WiMAX以外に、KDDIの高速通信として既に2010年冬モデルから搭載されているWHSに関しては、下り最高速度は9.2Mbpsが理論値となっている。
最近はWiMAX自体が加入者の増加につき実測が低下しており、WiMAX対応機と非対応機の速度がほとんど変わらない、それどころかWHSがWiMAXを上回るような3Gエリアも存在する。
WiMAXを使う必要がないと感じたエリアでは、あえてWiMAXをオフにするというのも手だと感じている。
そこで、ARROWS Zでは以下を心がけることで、発熱による機能停止を抑止できる。
・急速な発熱を感じたら、WiMAXをオフにする。
・WiMAXでの高速通信が必要でない作業中は、WiMAXをオフにする。
・WiMAXで速度を得られないエリアでは、WiMAXをオフにする。
これらはMotorola Photonや一部ルーターなどでは実現できない。WHS対応のARROWS Zならではのワザである。
これを機会に、KDDIのWHSエリアの速度の強みというのを感じられたら、それもまた一興ではないだろうか。