「携帯電話の電波がペースメーカーを誤作動させる」は、都市伝説。

 「携帯電話はペースメーカーを誤作動させるので、電車内で使ってはならない!」「22cm以上、携帯とペースメーカーは離れていないといけない!」  こんな言説がなかば常識としてまかり通っていますが、実際は事実とは異なることが明らかとなっています。

 なぜ間違っているのか、そしてなぜこのようなデマが常識とされているのか、定着までの過程がまとめられている記事があったのでご紹介します。

MobileHackerz再起動日記: 「携帯電話が心臓ペースメーカーを誤動作させる」という話

ところが、この実験が行われたのは1995年から1996年。そう、もう15年近くも前の話なのです。ではその後はどうなのか?…というと、実はちゃんと毎年のように総務省では継続してテストしていたりします。たとえば2001年の調査資料は

2001年時点で、5cm以内まで近づけた時に影響があるとされた心臓ペースメーカーは68機種中4機種、10cm~15cmの距離で影響があるとされた心臓ペースメーカーは68機種中1機種のみ

次におそらく出てくるであろう疑問は「この調査はPDC(第2世代)携帯電話についてだけど、今の(第3世代)携帯電話…FOMAとか…だとどうなの?」ではないかと思います。そう、今の携帯電話のほうが電波の効率が良くなっているので電波出力が弱いはずなんですよね。
そのあたりは、2002年に調査されています。

そう、FOMAなどの第3世代携帯電話実機では1cm~2cmまで近づけないと影響がないことが示されています。だんだん面白くなってきましたかね? さらに新しい携帯電話(イーモバイルで使われている1.7GHz帯や2GHz帯のCDMA2000など)になってくると、調査結果を理解するのに表すら要らなくなります。

「影響は確認されませんでした」または「最も離れた位置で影響を受けた場合の距離が1cm未満であることが確認されました」

 

 このように、電車内で携帯電話が通信していることでペースメーカーが受ける影響など現実的にもほぼ無いと言っていいのです。

 こうした調査結果があるのに対し、2002年に朝日新聞が「乗客の携帯電話により、電車内は電子レンジ化する」とした報道をし、当時話題となりました。ペースメーカーのために電車内で携帯電話は電源を切らなければならない、という空気が社会的にも形成されていきます。

 しかしこの件についても総務省がテストを実施。「シミュレーション上でも実環境の上での測定でもそのようなことは起こらない」と結論づけられました。  というわけで、3Gから次世代通信へと移行している現在の移動体通信の趨勢からしても、電車内で携帯電話を使用することがペースメーカーの誤作動を起こすという「常識」が、デマであると断じることができます。

 しかしながら、ペースメーカー利用者からすれば命にかかわる問題。引用元の記事の筆者もペースメーカー利用者には現時点で、心理的な負担を与えないように配慮すべきと仰っています。

 ただしそうした不安も、「携帯電話がペースメーカーを誤作動させる」というデマが浸透していることから生まれてくるものです。

 現在、ごく一部に影響のあると言われている2G(mova)の携帯電話も、2012年3月にで完全に停波します。

 だから今こそ、携帯電話ユーザーのためにも、3G端末を供給するメーカーのためにも、そして何よりペースメーカー利用者のいらぬ不安を完全に払拭するためにも、「電車内での利用がペースメーカーを誤作動させる」という「常識」がデマであることを宣伝し、広報する社会的責任を、移動体通信事業者は負っていると考えます。

 

(追記)WiMAXでも問題が無いことを総務省が確認されています。 また、誤作動することはないとはいえ、まだそれを知らないペースメーカー利用者が近くで携帯電話を使われたら、気分が悪くなる可能性があることも事実ですし、引用元の記事の筆者のおっしゃる「配慮」とはそういうことです。


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