會原 
楽天モバイル株式会社と東京科学大学は、5Gミリ波と人工知能・機械学習を活用して人数計測を可能にする「5Gセンシング技術」の実証実験を実施したと発表しました。
従来、小売店やイベント会場での人数計測にはカメラを使用するのが一般的でしたが、この技術では映像の代わりにWi-Fi、セルラーRADAR、Bluetoothなどの無線信号を使用するとしています。人を検知すると無線信号が反射、吸収、散乱されるため、これらの変化から環境情報を推定し、人数を把握できる仕組みです。人数計測以外にも、モーション検出、環境モニタリング、ヘルスセンシングなど幅広い用途に応用可能とのことです。
5Gセンシング技術では5Gミリ波の基地局を使用。高速だが壁などに遮られて電波が遠くまで届きにくい欠点を、Massive MIMOとビームフォーミング技術で克服。高密度な環境や屋内環境への配置であっても、高速かつ安定した通信の提供が可能になるとしています。会議室や小売店などの屋内環境を想定し、楽天のオフィス内に試験環境を構築し、実現可能性も検証したそうです。
対象物や環境との直接的な接触をせずに、カメラで観測が難しい複雑な環境でも動作し、個人を特定せずプライバシーが保護される恩恵もあるとのこと。
本プロジェクトは楽天モバイルと東京科学大学が開設した「楽天モバイル次世代エッジコンピューティング・ネットワーク協働研究拠点」における研究開発の一環とのこと。楽天モバイルは将来的に、5Gセンシング技術によるツールを楽天モバイルショップの店舗内に設置することで、無線信号を分析し、人員配置の最適化や商品・サービスのパーソナライズ化の推進に努める方針だそうです。
