これでもう充電事情は解決だ!
前回、超充電BOXなるものを製作したが、今回はその充電BOXを製作する前に知っておきたかった、オリコテクノロジーズ DCP-5U をレビューする。本製品はオリコテクノロジーズ社の日本正規輸入代理店ファインセレクトジャパン様より評価機材を頂戴した。改めてお礼申し上げたい。
スマホ3台+タブレット2台の同時充電が可能
本製品の優れた点は最大 37W の強力な電力を得られることだ。急速充電対応のスマートフォンや大容量バッテリーを備えるタブレットなど、最大 2.1A の電流を必要とする製品が増えてきており、スマートフォン向けの最大 1A 出力の充電器では充電に時間がかかったり、USB充電器が熱を持つことがある。
その点、本製品は通常の出力ポートを3つ、高速充電の出力ポートが2つ設けられているため、端的に言えばスマートフォン3台とタブレット2台を同時に充電することができる。試しにすべてのポートを埋める形で充電をしてみたが、電力不足で充電が遅いということもなく、センチュリーの「CT-USB-PW」で電流をモニタリングしたが、電流の値が揺らぐこともなく安定した動作が見られた。
スリムなデザイン。しかし、その裏には……。
USBポートを備える筐体は驚くほどスリム!しかも、なかなかオシャレで一見すると「このスリムな体型にいったいどうやって詰め込んだのだ?」と思うほど軽量かつコンパクトである(なぜコンパクトなのかは後述)iPhone5cの上に置いてみたが、おおむね同じくらいの大きさである。
もう一つの特徴は電源のオン・オフボタンがあることだ。利用者が明示的に充電器のオン・オフを切り替えられるため、電源をオフにしておけば、不慮の事故における火災や感電を防ぐことができる。今まで利用してきた製品にはこのような機構がみられなかったため、素直に褒められる点だろう。
しかし、本製品の利点を生み出しながらも最大の欠点を生み出しているのが、この巨大なACアダプタだ。この手にしては珍しくACアダプタが本体に内蔵されていない……というよりは、本来であれば充電器の主役はこのACアダプタである。電圧・電流を安定した値で出力するのはACアダプタの役割であり、その本体を筐体から取り出してしまった形になる。
カタログには「廃熱を考え」と書いてあるが、もっと言えば安価に安全な方法で高出力な電力を得るにはこの方法が簡単なのだ。「一方ロシアは鉛筆を使った」というアメリカンジョークも真っ青である。
幸いにして、ACアダプタのケーブルは長くなっており、コンセントからACアダプタまでが 110cm、ACアダプタから本体までが 120cm と余裕がある。ケーブルもしなやかで扱いやすく、コイル泣きの症状もない。まさにACアダプタを外部に出すことによって生まれる美味しいポイントを余すことなく実現している製品だ。
まあ、なんというか、うまく言葉にできないが「これはこれでありかなッ!」といった感じだ。おそらく何も考えずに商品が届くと、そのアンバランスさに爆笑するか頭を抱えるかの二択である。
でもね……安いんですよ!なんと、1980円!
こうした逆転の発想もあってか(あくまでも筆者による推測だが)同系列の製品よりも価格が抑えられ、お買い求めになりやすい価格設定がされている。競合する製品群と比較してみたが、本製品よりも最大の出力電力が高く、5つのUSBポートを備えて、2000円を切る製品は見当たらなかった。ACアダプタの問題以外は、非の打ち所のない製品と言っても過言ではないだろう。
安価にして高効率を求め、ACアダプタはこっそりと見えないところに隠すことができるスキルを持っている方におすすめの逸品と言える。
【日本正規代理店品】 ORICO DCP-5U USB急速充電器 5ポート
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