「LINEと日本政府、行政サービス連携」という報道に対する簡易考察

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 日本テレビは独自情報として、無料通信アプリLINEが、2017年9月から始まる日本政府のマイナンバー運用サイト「マイナポータル」と連携、オンライン行政サービスが利用できるようになると報じました。

 それによると、マイナンバーカードを使って、スマートフォンのLINEアプリの画面上から一部行政手続きができるようになるとのこと。将来的には税金の支払いや保育所の入所申し込みなども可能にするとしています。

 LINEは、韓国大手NAVERの子会社である株式会社LINEによって提供されています。LINEのセキュリティに関する問題はよく話題になります。台湾総統府は、政府関連業務を行うコンピューターでLINEを利用することを禁止しています。LINEと政府が提携するという今回の日本テレビの衝撃的な報道は各所で話題を呼んでいますが、果たして本当なのでしょうか。

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 総務省は「マイナポータル」を2017年1月から運用開始予定でしたが、Java実行環境必須などの仕様が問題視されて運用が延期、2017年9月からようやく本格運用が開始される予定です。

 総務省はマイナポータルに関し、Androidスマートフォン向けのアプリケーションを秋にリリースすると予告しています。

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(出典:総務省

  官民のオンラインサービスをシームレスに連携するため、マイナポータルのAPI開放も予定しており、これは2018年以降、段階的に提供される予定となっています。このほか、マイナンバーカードの利用者証明機能を備えたiOS / Android向けアプリを、2019年に実用化する予定であるなど、スマートフォンでのマイナンバー利用や、APIを利用した民間企業のサービス登場は、今後ありえることです。

 つまり、LINEが独占的に日本政府と組んで個人情報を扱うというわけではなく、あくまで等しく民間企業のうちの一つとして、LINEも参入する可能性があり、それが実現した場合にも、あくまで政府提供のAPIを叩くのみで、LINE側のサーバー内に情報が保持されないような仕組みになるのではないか……というのが筆者の推測となります。

 総務省の純正サービスだと国民の納得のできるものが作れないから、民間企業でもある程度作れるようにしようという発想は、ある意味では潔くはあります。

 LINEがマイナンバーにどのように絡んでくるのか、今後も注視していきたいところです。

 これは完全に蛇足ですが、中国TencentのWeChatが、どうぞマイナポータルで日本国に納税できますよなんてサービスをWeChat内で始めようとしたらどうなるんでしょうね。やはり政府としてはお断りするんでしょうか。