先日は、有機ELテレビのオススメ製品について紹介しましたが、40万円以上の価格設定は、まだまだ高嶺の花。今回は、4K液晶テレビについて、東京都千代田区の家電量販店で訊いてきました。(価格は取材時のものです、ご参考まで)
――4Kテレビの価格も、大分下がってきましたね。
はい、今は50型で20万円くらいが相場ですが、4Kテレビが出る前のフルハイビジョンテレビが18万円程度だったことを考えると、概ね同じくらいの価格水準になっています。
――50型だと、今は4Kテレビが主流ですか?
主流と言うか、今はもう4Kしか各メーカー出していない状況です。中国メーカーのハイセンスが、税込7万円台でフルハイビジョンの49型を出しているくらいですね。
――ハイセンスは売れていますか?
いえ、やはり皆さん、テレビは国内メーカー、という考えが強いです。画質も見るべきものがないので、デモ画面でも宣伝を流しています。
――国内メーカーで安いものだと?
各社とも、50型のローエンド、松竹梅でいえば「梅」を税抜15万円程度で出してはいますが、倍速モードが入っておらず、スポーツなど高速で動くものの映りが悪いので、あまりオススメはしていません。
いずれにせよ安くはない買い物なので、20万円程度の「竹」クラスに人気が集まっています。
――人気のモデルは?
ソニーX9000E(49型・税抜189,800円)が、よく売れています。液晶の強みである高輝度と、ソニーの特徴である高コントラストの組み合わせが、メリハリのある画面をを作り出しています。
ソニーX9000Eは、4K液晶テレビの「定番」のような立ち位置だと思います。
あと、ONKYOブランドの2.1ch「フロントオープンサウンドシステム」を搭載している、シャープのUS45(50型税抜189,880円)も、「音が他よりもいい」というわかりやすい特徴があるので、人気あります。
スピーカーは物理的に音を作るため、スピーカーのスペースが小さく、しかもデザインの都合でスピーカーを下向きに設置していることの多い薄型テレビは、基本的に「音がよくない」という弱点があります。
シャープUS45は、画面下に、前方へ向かって音を出すスピーカーがついているので、下向きにスピーカーがついている他のモデルよりも、確実に音はいいです。もちろん他のモデルを購入した場合、バーシアターを別途買うという手もありますけどね。
――液晶といえば、東芝REGZAも強いブランドというイメージですが……
東芝は4K液晶のハイエンドモデル、Z810X(写真左・50型税抜254,880円)の評価が高いです。売れ筋価格帯ではないので、売れている台数はあまり多くありませんけど。
視野角が広く、画面の明るいIPSパネルを使用するのがトレンドですが、Z810Xは、あえてVAパネルを使用しています(写真右はIPSパネルのZ710X)。
VAパネルは横から見ると色が変わって見えるという弱点こそありますが、正面から視聴する環境が前提なら、VAの方がより自然な発色で、キレイに見えます。
東芝の上位モデルは64色軸と、他社の4K液晶が4~6色軸なのと比べて、圧倒的に色軸が多く、細やかな発色をしているのも、高ポイントです。昔、シャープが「クアトロン4原色」をセールスポイントにしていましたが、桁違いですよね。
――パナソニックが話題にあがりませんが、いまだ液晶はダメ?
もともとパナはプラズマテレビで勝負していたメーカーなので、液晶テレビはダメな時代が続きましたが、最近のモデルは画面も明るくなったし、十分合格点ですよ。
ただ、他のメーカーと比べて、「ここがいい!」と大きな声で言えるポイントがないのも事実です。パナソニックはブルーレイ・レコーダーだと人気が高いので、テレビを買う人も、レコーダーを先にパナと決めて、「それじゃあテレビもパナで」といった形で、メーカーを揃えるために選ぶパターンが多いです。
編集部雑感:かつては「家電の王様」と持て囃されたテレビ。最近はやはり有機ELが一種のトレンドであるため、お値打ちなコスパの高い4Kテレビを狙うとなると液晶になることが多い。20万円前後のモデルに人気が集まりやすいようだ。 |