Bloombergは、「どのように中国がマイクロチップを米トップ企業に浸透させたか」という調査報道記事を掲載しました。米国の研究者や元政府高官など関係者への取材を通じ、中国によるスパイ行為について報じています。
それによると3年前、Supermicroのマザーボードを中国で製造中、中国人民解放軍がマイクロチップを混入、AppleとAmazonが使用するデータセンターのハードウェアに浸透、ハッキング攻撃を仕掛けていた、としています。
AppleやAmazonなど30社が対象で、米国の大手銀行や政府の請負業者にも影響を与えているとのこと。
記事曰く、中国の目標は高い価値を持つ企業秘密や機密性の高い政府ネットワークへの長期的なアクセスであるとしました。消費者の個人情報は対象ではないとのこと。
製品組み立ては米国内で行っているものの、主要部品であるマザーボードは中国で製造されています。元米情報当局者は、Supermicroへの攻撃はWindowsへの攻撃であり、全世界への攻撃のようなものと語っています。
AppleとAmazonはこの記事に対して「証拠がない」として否定声明。Supermicroは政府の調査に協力しているが、この問題についてはいかなる調査も認識しておらず、政府機関から連絡を受けていないとしています。中華人民共和国外交部は「中国はサイバーセキュリティの擁護者である。相互の尊重、平等、相互利益に基づき、対話を通じてサイバーセキュリティの脅威に取り組むため、国際社会の協力を提唱している。サイバー空間におけるサプライチェーンの安全性は共通の懸案事項で、中国も犠牲者だ。中国、ロシア、上海協力機構は、2011年に情報セキュリティのための国際行動規範を国連に提案している」と声明しました。
本件については真偽不明で、まだ噂や疑惑の域を出ません。しかし権威あるBloombergが満を持してこの記事を公開したということは重たい意味を持ちます。しばらくはこの記事に関して話題となりそうです。