イオンのモバイル事業部、広報担当の方々に、イオンモバイルの店舗を案内していただきました。格安SIMユーザー、高齢ユーザーに人気のスマホ情報、ということでお届けしたいと思います。
Index
高齢者に強いイオンモバイル
イオンのスマホ・携帯電話売場は、基本的に一番手前がイオンモバイルとなっており、その他のキャリアのどこが出店しているかは、地域によって異なるのだそうです。ここ東京都江戸川区・西葛西は、ソフトバンクが強いということで、同キャリアが出店。
まず、顧客層について尋ねると、そこはショッピングセンターの来店層に準ずるため、高齢者層が比較的多いようです。この点、高齢者層に直接接触できる機会が多い、ターゲット層が明確ということで、イオンモバイルの強みと言えるでしょう。ここは、「高齢者層のスマホ消費行動」について聞いてみたいところ。
イオンモバイルの人気スマホは?
意外、高齢者に人気なHuawei
イオンモバイルの取扱いメーカーは、Huawei(華為)、ASUS、シャープ、富士通の4社。価格帯はやはり、2万円台のローエンドモデルが人気だとか。なかでもHuawei nova liteが「2万円前後なのに、カメラの性能が凄くいい」と、人気だそうです。
私としては、ドコモがGalaxyで勝負していた時代、韓国メーカーというのがハンデになっていたぐらいの消費者意識がある一方で、高齢者が多いのに華為が人気とは……と少し驚きました。
しかし、最近では年配のユーザーの「国産信仰」も大分薄れ、むしろお客さんの方から「Huaweiが良いと聞いて」と指名買いされるシーンも増えているのだといいます。
高齢ユーザーはインターネットでの情報収集はあまりしていないように見えるものの、Huaweiブランドがかなり浸透しているのは、友人や家族から「Huaweiのスマホは安いのにカメラの性能がいい」といった、口コミを聞いていうパターンが多いとのこと。
台湾メーカー、良くも悪くも「マイナスイメージなし」
とはいえ、Huaweiといえば「例の事件」。そこで、ASUSのZenFone 5に流れるお客さんもいるのだとか。ASUSはイオンモバイルのラインナップの中では、「自撮りがいい機種」という位置づけらしいです。
なお、「台湾メーカー」については、「だから安心」というよりも、「マイナスイメージがない、無色透明」という受け止め方をされているようです。ブランドイメージ形成という意味では、ちょっとこの先、苦戦しそうだなというのが私の感想。
私の考察としては、消費者の「え??中国メーカーとか安いだけでダメでしょ!」というネガティブな固定観念から「中国メーカーは安いけど実は品質がいい!」という、不良が捨て猫をかわいがっていると「いい人」という認識になる法則が、スマホでも働いているのかな?と。そういう意味で、台湾・韓国メーカーがちょっと不憫になりますね。
「国内ブランド」代表はSHARP
国内ブランドAndroid機といえば、「防水・防塵・防滴」「おサイフケータイ」で売る、というのが「伝統芸」のようなものですが、イオンモバイルではシャープがそのポジション。フェリカにも対応しているシャープ・AQUOS(同一価格帯はSH-M04)が選ばれているそうです。
arrowsも取り扱っていたよなと思って、「やっぱり投資ファンドへの事業売却後は存在感が薄くなったり?」と水を向けてみると、「新製品がなかなか出てこないので、いま出ている製品を売り込んでいく」ことになる……とのこと。
料金プラン、高齢者はWi-Fiも使いこなす?
料金プランですが、通信容量を小刻みにして、余った分を来月に繰越できる、「需要にピッタリ合ったプラン」を選べるのが特徴。
まずは4GB(月額1580円)で試してもらうというスタンスのようですが、これだと自宅ではWi-Fi利用するのが前提な気もします。
すると、タブレット端末をデータ通信契約なしの単体で購入しに来る、年配のお客も多いそうで、案外といってはなんですが、高齢ユーザーもWi-Fiはちゃんと使いこなしているようですね。
モバイルバッテリーシェアサービス
あと、12月26日にイオンリテールがサービスを開始した、モバイルバッテリーシェアリングサービス、「チャージスポット」のバッテリースタンドが設置されていました。
端末保証代金税込2139円、1時間以内の利用料金なら税込108円、以降48時間以内までの利用は税込108円加算、48時間以内に返却しなかった場合は保証代金の返却がされず買い上げに。ローソンなどに設置されている店外のバッテリースタンドにも返却可能で、本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」内の「イオンモバイル八重洲」、約170店舗でサービスが開始されたとのことです。
充電サービス自体はガラケー時代からありましたが、そういえば昔はケースに端末を入れてその中で充電し、暗証番号ロックをかけておく、コインロッカーのような形式のものがありましたね。あれは端末を機械に置いている間、客は若干の不安がありましたが、モバイルバッテリー貸出という形なら不安を覚えるのは事業者側となり、しかもこの場合は返却していなければ買い上げ扱いになるだけ。よくできてますね。
記者の感想
SIMフリー機でシェアを大きく伸ばしている華為ですが、高齢者の間でも口コミの評判がいい、というのは、ちょっとした発見でした。とはいえ、ドコモの「硬い」ユーザーとは、ちょっと消費性向が異なるかも知れませんが……。